動画制作の契約書に書いてある項目を具体的に知りたい、業務委託契約書に関するよくあるトラブルを未然に防ぎたいと考えている方は少なくありません。
・動画制作の依頼が初めてで、契約書の内容や重要性がよく分からない
・動画制作でよくあるトラブルを契約段階で防ぎたい
・納期や著作権、修正対応など、契約書で確認すべき点を網羅的に知りたい
本記事では、動画制作での業務委託契約書の意義や具体的な記載内容、確認すべき重要ポイントを分かりやすく解説しています。
業務委託契約書に関する知識を身につけられると、トラブルのない円滑な動画制作が可能になります。
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まずは無料で相談してみる動画制作(映像制作)における業務委託契約書とは?
動画制作の業務委託契約書とは、依頼者と動画制作会社との間で業務内容や条件を明確にして、トラブルを未然に防ぐための重要な文書です。
契約書を交わすことで、プロジェクトの詳細(納期、費用、著作権など)を明確にして、双方の誤解を防ぐとともに、法的な保護が受けられるようになります。
特に高額案件では、契約書がないとトラブル時に致命的なリスクをともなうため、契約内容をよくチェックするよう心がけましょう。
契約書に記載される項目の例は、以下のとおりです。
・業務内容と成果物の定義
・著作権の帰属先
・修正回数や追加料金の条件
上記の内容を双方で事前に取り決めておき、プロジェクトを円滑に進めましょう。
動画制作(映像制作)における業務委託契約書の記載内容【テンプレート付き】
動画制作における契約書には、主に以下の項目を記載する必要があります。
1.用語の定義
2.委託する業務内容
3.納期
4.対価(費用)
5.知的財産権の帰属
6.秘密保持
7.損害賠償に関する事項
上記の項目を明確に記載することで、発注者と制作会社の間で認識のズレを未然に防げるため、トラブルを回避できます。
業務委託契約書の具体的な記載内容の例は、以下のとおりです。
必要な記載項目 | 詳細 |
用語の定義 | 「甲(発注者)」「乙(制作会社)」「本動画」などの用語を定義 |
委託する業務内容 | 「甲は乙に対し、〇〇のプロモーションビデオ(実写映像、〇〇分)の制作を委託し、乙はこれを受託する」 |
納期 | 「乙は完成した本動画を〇年〇月〇日までに、甲の指定する場所に納入するものとする」 |
上記の例のように、具体的かつ詳細に契約内容を記すことが求められます。
動画制作(映像制作)における業務委託契約書の締結フロー
動画制作の契約書締結フローは、「ヒアリング、企画・見積もり、契約内容の確認・交渉、契約書の作成・締結」と段階を経て進められます。
契約書締結フローの具体的な内容は、以下のとおりです。
契約書締結フロー | 具体的な内容 |
1.ヒアリング・打ち合わせ | ・制作会社と初回の打ち合わせを行い、動画の目的、予算、納期などの要件を伝える |
2.企画・見積もり | ・制作会社が初期企画と構成を提案する ・見積もりを提示する |
3.契約内容の確認・交渉 | ・見積もりの詳細(修正回数、納品日、納品形式、撮影条件など)を確認する ・著作権・使用権の帰属、再委託の可否、機密情報の取り扱い、動画原版の保管期間、二次利用の条件、損害賠償条項などを確認する |
4.契約書の作成・締結 | ・合意した内容に基づき、制作会社または発注者が契約書を作成する ・社内の法務部門などによる契約書のチェックを行う ・双方で最終確認を行い、契約書に署名・捺印して締結する |
上記のフローを正しく理解して、動画制作プロジェクトの契約をスムーズに締結しましょう。
動画制作(映像制作)の業務委託契約書に関してよくある2つのトラブル
動画制作の業務委託契約書に関しては、主に以下の2つのトラブルが発生しやすい傾向にあります。
1.著作権に関するトラブル
2.修正や納品後の対応に関するトラブル
上記の内容を事前に理解できていると、不要なトラブルを回避するための準備ができます。
著作権に関するトラブル
著作権に関するトラブルを避けるためには、契約書で著作権の帰属や使用権の範囲を明確に定めておく必要があります。
著作権は制作された動画の使用や配布に直接影響するため、「誰が著作権を持つのか」「どのように使用できるのか」を明確にしておきましょう。
例えば、制作会社が動画の著作権を保持している場合、依頼者がその動画を他のプロモーション活動で使用するには追加の許可が必要になります。
また、契約書で「商業利用不可」とされているにもかかわらず、その動画を広告キャンペーンで使用してしまうと、著作権侵害として問題になるため注意が必要です。
下記の記事では、著作権の基本から動画制作時の注意点まで網羅的に解説していますので、著作権について把握しておくポジションにいる方は、ぜひ合わせてご一読ください。
修正や納品後の対応に関するトラブル
制作された動画の修正や納品後の対応に関するトラブルを避けるためにも、契約書で修正回数や条件、追加費用について具体的に取り決めておきましょう。
動画制作の完成品が期待と異なる場合を考慮して、修正可能な回数や範囲を明確にしておかなければ、修正依頼に対して高額な追加料金を請求される場合があります。
例えば、「修正は2回まで無償」と契約書に記載されていれば、3回目からの修正には追加料金が発生するでしょう。
動画制作(映像制作)の業務委託契約書に関して確認すべき8つのポイント
動画制作の業務委託契約書では、以下の8つのポイントを確認しましょう。
1.業務内容と成果物が明確化されているか
2.納期と納品形式が明確に指定できているか
3.制作費用の総額と内訳が明確に記載できているか
4.著作権と使用権について明確に記載できているか
5.修正可能な回数や範囲が明確に定めているか
6.プロジェクトに関する機密情報の取り扱いについて明確な規定を記載したか
7.プロジェクトのキャンセルや中断時の条件を明記したか
8.再委託の可否を記載したか
上記の項目をよく確認して、完成度の高い業務委託契約書を作成できるようになりましょう。
業務内容と成果物が明確化されているか
動画制作の業務委託契約書では、業務内容と成果物を具体的かつ明確に定義されているか確認しましょう。
依頼者と制作会社の間で起こりやすい認識のズレを防げるため、トラブルの回避や円滑な業務進行と品質の確保につながります。
契約書には、以下の項目を具体的に記載するよう心がけましょう。
・作品タイトル
・テーマ(例:〇〇のプロモーションビデオ)
・映像種別(例:実写映像、アニメーション)
・収録時間
・納品形式(例:MP4ファイル)
・使用するソフトウェア
・具体的な編集内容
・納品物の詳細(内容、フォーマット、長さなど)
さらに、仕様書を作成して、以下の要件を含めることも推奨されています。
・映像制作の目的(リクルート・ブランディングなど)
・企画概要
・コンセプト
・公開する媒体(テレビ・YouTubeなど)
・動画の公開日
・予算
上記のように、業務内容と成果物を明示できると、プロジェクトの目的と期待に沿った動画制作が実現できます。
納期と納品形式が明確に指定できているか
動画制作の業務委託契約書では、納期と納品形式を明確に指定することが大切です。
具体的な日付やフォーマットを契約書に記載できると、双方の期待値を合わせられるため、遅延や品質に関する問題を未然に防げます。
契約書には、「乙(制作会社)は完成した本映像を令和〇年〇月〇日までに甲(依頼者)の指定する場所へ納入するものとする」という形で納期を明記しましょう。
また、納品形式も「完成した映像はMP4形式で提供される」などを具体的に記載しておくこともおすすめです。
事前に納期と納品形式を契約書で明示して、プロジェクトの円滑な進行と成果物の品質確保を実現しましょう。
制作費用の総額と内訳が明確に記載できているか
動画制作の業務委託契約書では、制作費用の総額と内訳を明確に記載しましょう。
明確な費用の記載により、業務の透明性を確保してくれるだけでなく、予算管理や追加費用の発生に対してもスムーズに進められるようになるからです。。
契約書には、以下のような項目を具体的に記載するよう意識しましょう。
項目 | 具体例 |
総額 | 本件業務の委託料は、金○○○円(税込)。 |
内訳 | 企画構成費:5〜50万円 映像撮影費用:30〜300万円 動画編集費用:5〜50万円 その他費用(MA費・機材費など):3〜30万円 |
支払い条件 | 甲は、乙に対し、第〇条で定めた検収確認後〇日以内に、当該委託料を、乙の指定する金融機関の口座に振り込む方法で支払う。振込手数料は、甲の負担とする。 |
追加費用に関する記載 | 修正回数は〇回までとし、それ以上の修正や納品後の修正に関しては、別途料金が発生するものとする。 |
制作費用の総額と内訳を契約書に記載して、金銭面でのトラブルを未然に防ぎましょう。
著作権と使用権について明確に記載できているか
動画制作の業務委託契約書では、制作物の利用範囲や著作権の帰属先を明確にするためにも、著作権と使用権について記載しておきましょう。
著作権は通常、制作会社やクリエイターに帰属しますが、クライアントが著作権を希望する場合は、その条件を契約書に明記する必要があります。
また、使用権についても、どのメディアでどのように利用できるかを具体的に定めることで、トラブルを未然に防げます。
契約書で明記すべき主な項目は、以下の通りです。
項目 | 詳細 |
著作権の帰属 | 制作した動画の著作権が誰に帰属するかを明示する |
使用範囲の規定 | 使用できるメディアや地域、期間を具体的に定める |
二次利用の条件 | 制作物を基にした二次的著作物の制作や利用についても条件を明記する |
著作権と使用権に関する明確な規定は、動画制作プロジェクトの円滑な進行と、制作物の適切な活用に欠かせません。
修正可能な回数や範囲が明確に定めているか
動画制作の業務委託契約書では、修正可能な回数や範囲が明確に定められているか、確認する必要があります。
修正回数や範囲が不明確だと、無制限の修正要求や追加料金などが発生する可能性があるからです。
契約書には、以下のような具体的な記載を盛り込みましょう。
項目 | 記載例 |
修正回数の制限 | 原則、修正は1回までとする |
修正依頼の期間 | 甲の修正依頼は仮納品後、甲乙協議の上定めた期間内とする |
修正の範囲 | 乙は、甲の指示する仕様書に定める制作の範囲内において修正を行う |
追加料金の条件 | 納品後の修正に関しては別途料金が発生するものとし、乙は別途見積もりを行う |
修正に関する条件を契約書で明記して、無制限の修正依頼や予期せぬ費用の追加を回避しましょう。
プロジェクトに関する機密情報の取り扱いについて明確な規定を記載したか
動画制作の業務委託契約書には、機密情報の取り扱いについて明確な規定を設けましょう。
機密情報は企業の戦略や新製品に関する重要な情報を含んでいるため、漏洩すると企業に重大な損失をもたらします。
契約書に「どの情報が機密情報に該当するか」明記して、機密情報の取り扱い方法や漏洩時の対応策を記載しておきましょう。
具体的には、契約書に以下のような条項を含めましょう。
条項 | 詳細 |
機密情報の定義 | どの情報が機密として扱われるかを明確にする |
秘密保持義務 | 受託者が第三者に情報を開示せず、本契約の目的以外で使用しないことを義務付ける |
違反時の罰則 | 機密保持義務に違反した場合の罰則や法的責任について記載する |
秘密保持期間 | 秘密保持義務が適用される期間を設定する |
再委託時の注意 | 再委託先にも同様の秘密保持義務を課すことを明記する |
機密情報の取り扱いに関する明確な規定を設けて、情報漏洩のリスクを最小限に抑えましょう。
プロジェクトのキャンセルや中断時の条件を明記したか
契約書には、プロジェクトがキャンセルまたは中断された場合の条件を、明確に記載することが重要です。
明記する内容の例を、以下に紹介します。
・キャンセルの通知期間
・キャンセル料
・損害賠償の有無
例えば、契約書には「プロジェクト開始後30日以内にキャンセルされた場合は契約金額の30%をキャンセル料として支払う」といった条項を設けることが考えられます。
キャンセルや中断が発生した際の対応を事前に定めておくことで、実際にキャンセルが発生した場合でもスムーズな対応が可能になります。
予期せぬ事態に備えて、キャンセルや中断時の条件を契約書に盛り込むことを忘れないようにしましょう。
再委託の可否を記載したか
動画制作の業務委託契約書では、再委託の可否を明確に記載する必要があります。
再委託の可否を明記しておくと、制作プロセスの透明性が確保され、品質管理やセキュリティリスクを軽減できるからです。
契約書に記載する再委託に関する条項の例は以下の通りです。
条項 | 記載例 |
全面禁止の場合 | 乙(制作会社)は、本件業務を第三者に再委託することはできない。 |
条件付き許可の場合 | 乙は、事前に甲(発注者)の書面による承諾を得た場合に限り、本件業務の一部を第三者に再委託することができる。ただし、再委託先の行為については乙が一切の責任を負うものとする。 |
許可する場合の追加条項 | 乙が本件業務を第三者に再委託する場合、再委託先に対しても本契約と同等の機密保持義務を課すものとする。 |
再委託の可否とその条件を契約書に明記しておけば、プロジェクトの品質確保が可能になります。
株式会社トック企画にご依頼いただけると、適切な再委託条項を含む契約書の作成をいたしますので、契約書まわりで不安を感じている方は一度相談してみてください。
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本記事では、動画制作での業務委託契約書の重要性と、確認すべきポイントを解説しました。
動画制作の業務委託契約書は、依頼者と制作会社の間で業務内容や条件を明確にして、トラブルを未然に防ぐための重要な文書です。
本記事で紹介したポイントを見返しながら、各項目を明確に記載していきましょう。
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