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12/31 2021

オフセット印刷と
オンデマンド印刷の違いは?
メリット・デメリットを徹底解説!

ポスターや冊子などを印刷会社へ依頼する場合、制作物によって印刷方法が異なることはご存知でしょうか。印刷方法によって、仕上がりも異なってくるので、覚えておく必要があります。そこで今回は、オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いや、印刷会社とネット印刷のメリット・デメリットについて徹底解説していきます。

オフセット印刷・オンデマンド印刷とは

オフセット印刷とは、印刷する前に型となる「版」を制作して、版につけられたインキをゴムで作られているブランケットに転写しておこなう印刷方法です。アルミ版からゴム板へとインキを離すことを「オフ」、ゴム板から紙にインクをつけることを「セット」ということで、合わせて「オフセット」と名付けられました。版が直接紙に触れないので、摩擦が生じにくく大量の印刷を可能とします。オフセット印刷はほとんどの場合、平版で使われるため、「平版オフセット印刷」と呼ばれることもあります。一方で、オンデマンド印刷とは、版を用意する必要がなく、入稿データが送られてくると分析をおこなって色付けするような、プリンターと似ている印刷方法です。ユーザの要求があった際に、その要求に応じて提供することを「オンデマンド」と呼びます。必要な時に必要な部数だけ印刷することができるという意味から、「オンデマンド印刷」と名付けられました。

オフセット印刷のメリット・デメリット

オフセット印刷のメリット・デメリットを紹介します。

オフセット印刷のメリット①:大量の印刷に向いている

オフセット印刷では、版を使用して印刷をおこないます。一度製版してしまうことによって、壊れない限りは同じ版を何度でも使うことができるのです。そのため、オフセット印刷は数千部以上の大量の印刷に向いています。

オフセット印刷のメリット②:高品質に仕上げることができる

オフセット印刷では、インキが紙に密着するので、写真やテキストなどを鮮明に印刷することができます。デザインや品質にこだわりたいのであれば、オフセット印刷にしましょう。

オフセット印刷のメリット③:大きいサイズによる印刷が可能

オフセット印刷をする印刷機器は、オンデマンド印刷機に比べて非常に大きいため、特大ポスターなどの大きいサイズの印刷用紙を印刷することができます。また、同じ用紙と版を使って印刷することで、付け合わせ印刷をおこなうことも可能です。

オフセット印刷のメリット④:多彩な色の印刷が可能

オフセット印刷はオンデマンド印刷と異なり、印刷の4原色と呼ばれているC・M・Y・K以外のインキにも対応しています。多彩な色を使って印刷することができるので、表現の幅を広げることも可能です。

オフセット印刷のデメリット①:少ない部数の印刷ではコストが高い

オフセット印刷は、印刷する時に製版作業があります。版を制作する上での人件費や作業コストがかかるので、少ない部数の場合にはトータル的に考えると、割に合わない可能性があります。また、たくさんの種類の印刷をおこなう場合にも、1種類ずつ製版しなければいけません。製版するたびににコストがかかるというデメリットがあります。

オフセット印刷のデメリット②:時間がかかる

製版作業やインクを乾燥させる必要があるので、完成するまでに時間がかかります。そのため、迅速な納品には向いていません。

オンデマンド印刷のメリット・デメリット

次に、オンデマンド印刷のメリット・デメリットを紹介します。

オンデマンド印刷のメリット①:少ない部数の印刷でも可能

オンデマンド印刷は、製版する必要がなく、印刷するたびにデータを読み取って印刷をおこないます。そのため、たとえ印刷したい部数が少なくてもコストが余分にかかることはありません。

オンデマンド印刷のメリット②:豊富な種類にも対応可能

オンデマンド印刷は、製版の必要がありません。データを1つずつ分析しながら印刷をおこなうので、印刷する種類が多くても対応することができます。

オンデマンド印刷のメリット③:スピーディーに印刷できる

オフセット印刷と異なり、製版する必要もなく、インクを乾燥させることもありません。そのため、オフセット印刷に比べてスピーディーに印刷することができます。

オンデマンド印刷のデメリット①:品質が若干劣る

オンデマンド印刷は版を使わないので、色の調整や品質がオフセット印刷に比べて若干劣ります。パッと見ただけでは大差ありませんが、どうしても品質にこだわりたいのであれば、オフセット印刷をオススメします。

オンデマンド印刷のデメリット②:大量印刷の場合は時間がかかる

少ない部数の印刷であればオンデマンド印刷が有利ですが、大量に印刷するのであれば、版を使用するオフセット印刷の方が速いです。スピードだけではなく、コストもオフセット印刷よりかかってしまうので、1,000部程度を境目として判断しましょう。

オンデマンド印刷のデメリット③:大きいサイズの印刷はできない

オンデマンドの印刷機はオフセット印刷機に比べて大きくありません。そのため、A3サイズを超える印刷の場合には、オフセット印刷にしましょう。

オンデマンド印刷のデメリット④:特定のカラーしか使えない

オンデマンド印刷は印刷の4原色と言われるC・M・Y・K以外のカラーしか使うことができません。6色使っての印刷はできないので注意しましょう。 

オフセット印刷・オンデマンド印刷に向いているもの

オフセット印刷は、チラシやパンフレット、カタログなどの大量印刷をする時にオススメです。また、品質が重要な写真集や、大きいサイズのポスターなどを印刷する時にもオフセット印刷が向いています。一方で、オンデマンド印刷は1枚から印刷することができるので、年賀状や部数が少なくて種類が多いパンフレット、チラシなどの印刷にオススメです。

印刷会社のメリット・デメリット

パンフレットやポスターなどを印刷する場合、多くの企業がネット印刷または印刷会社に依頼するかの2択となるケースが多いです。それぞれどのような違いがあるのでしょうか。まず始めに、印刷会社に依頼するときのメリット・デメリットを紹介します。

印刷会社のメリット①:企画や提案がもらえる

印刷会社に依頼する場合には、担当者がついてデザインの企画や提案などもしてもらえます。担当者は、印刷やデザインに関するノウハウを兼ね備えているので、一緒に見直すことによってクオリティの高い印刷物を作ることが可能です。

印刷会社のメリット②:修正対応に応じてくれる

ネット印刷の場合、担当者がいないので自分たちでチェックして印刷をおこないます。そのため、文章に誤字脱字があっても修正されないまま印刷してしまうというケースが非常に多いです。数千部以上のミスした印刷物を大量に印刷してしまったのであれば、それだけでかなりのコストがかかります。それに比べて印刷会社は、事前に誤字脱字がないかのチェックをしてくれます。修正箇所を発見した場合には対応してもらえるので、安心して依頼することができます。

印刷会社のメリット③:カラー調整もおこなってくれる

印刷会社に依頼すると、カラー調整もおこなってくれます。特に画像やイラストを重視している印刷物であれば、カラーによって印象が変わります。印刷会社では、映えるようなカラー調整をおこなってくれるので、満足した仕上がりになるでしょう。

印刷会社のデメリット①:費用が高い

印刷会社は担当者が印刷物の企画や提案などをおこなってくれるので、人件費がかかります。そのため、ネット印刷に比べて費用が高いのがデメリットです。

印刷会社のデメリット②:納品まで時間がかかる

印刷会社は常に複数の案件を並行しながら進めています。繁忙期などもあるので、依頼する時期によっては希望する納品日に間に合わなくなるケースも珍しくありません。そのため、依頼する時にはなるべく余裕を持って依頼しましょう。

ネット印刷のメリット・デメリット

次に、ネット印刷のメリット・デメリットを紹介します。

ネット印刷のメリット①:費用を抑えられる

ネット印刷では、印刷会社に依頼するよりも費用を抑えることができます。そのため、企業だけではなく、個人でネット印刷を使う人も少なくありません。

ネット印刷のメリット②:納期を自分で決められる

印刷会社によっては、繁忙期に依頼すると自分たちが希望する納期に間に合わないということも珍しくありません。しかし、ネット印刷では発注する時に納期を自分たちで決めることができます。そのため、納期に間に合わなくなるという心配もありません。

ネット印刷のメリット③:見積もり金額をすぐに確認できる

印刷会社では、見積もりを出してもらうまでに時間がかかることもありますが、ネット印刷では価格表が既に掲載されています。自分が印刷したい部数などを選択するだけですぐに見積もり金額を確認することができるので、依頼するまでが非常にスピーディーです。

ネット印刷のメリット④:24時間対応している

ネット印刷の場合は24時間対応しています。そのため、急ぎで印刷したい印刷物がある時や、平日の仕事が忙しい個人の方でも時間を気にする必要なく依頼することが可能です。

ネット印刷のデメリット①: 提案してもらえない

ネット印刷の場合、印刷することがメインとなるので、印刷会社のように担当者がついて企画や提案をしてくれるわけではありません。そのため、印刷物のデザインなども自分たちで試行錯誤しながら検討する必要があります。印刷する費用が安くても、トータル的なコストで考えると、印刷会社に依頼する方がコストパフォーマンスが良いかもしれません。

ネット印刷のデメリット②: 発注作業が面倒くさい

ネット印刷では、パソコンで操作して発注作業などをおこないます。複雑な作業などはありませんが、普段からパソコンに慣れていない人にとっては、面倒くさいと感じる人もいるかもしれません。

ネット印刷のデメリット③: 入力ミスが起こる可能性もある

ネット印刷では自分で印刷物のサイズや枚数、納期などを決定します。そのため、100部印刷するはずが、間違えて1,000部印刷してしまうというミスも発生することがあります。発注ミスしても全部自己責任となるので、細心の注意を払いましょう。

ネット印刷のデメリット④: データの修正が途中で変更できない

印刷会社の場合は、誤字・脱字程度であればその場で修正が可能です。しかし、ネット印刷の場合は、データを入稿してから文字の打ち間違えに気づいても、途中でデータの変更ができません。そのため、再度発注しなければいけないという手間がかかります。

ネット印刷のデメリット⑤: サポート体制が不安定

印刷会社に依頼する場合は、連絡することで、進捗状況などをすぐに確認することができます。しかし、ネット印刷の場合は、聞きたいことがあっても電話ではなくメールでしか受け付けていないケースもあります。また、連絡しても数日後に返信が来ることもあるので、ネット印刷のサポート体制に不安を抱える人も少なくありません。

ネット印刷のデメリット⑥:詳細な要望に応えられない

印刷物によっては、「商品の一部分だけを赤色で際立たせたい」などの要望もあるはずです。しかし、ネット印刷の場合、詳細な要望まで応じることができません。そのため、自分の求める印刷物にならないというケースもあります。一方で、印刷会社の場合は柔軟な対応が可能なので、デザインにこだわりたいのであれば印刷会社に依頼するのがオススメです。

ネット印刷のデメリット⑦:多彩な色が使えない

ネット印刷では、印刷の4原色と呼ばれているC・M・Y・Kのインキを用いて印刷します。逆に言うと、4原色以外の色を使って印刷することができないので、多彩な色で印刷物を作りたいのであれば、印刷会社に依頼しましょう。

まとめ

今回は、オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いや、印刷会社とネット印刷のメリット・デメリットについて解説しました。それぞれに特徴があるので、自分の印刷物によってどちらを選ぶか判断しましょう。弊社、株式会社トック企画では、昭和52年から印刷事業をおこなっています。最新の技術とこれまで培ったノウハウを基に多数の実績を積み上げてきました。お客様に寄り添った企画の提案などもおこないますので、お気軽にご相談ください。今回の記事を参考に、印刷に関する知識を深めて、自分に合った印刷方法や印刷会社を選びましょう。

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