動画制作・映像制作の見積もりを徹底解説｜項目や料金、費用を抑える7つの方法も紹介

動画制作の見積もりは大きく分けて「企画費」「人件費」「諸経費」の3項目で構成されています。

企画費には動画の台本作成やコンセプトの策定、進行管理など、人件費は制作に携わるスタッフやキャストの費用、諸経費は、撮影や編集に必要な機材や場所のレンタル費、素材費、交通費などの費用です。

見積もりを依頼する際は、3つの項目が明確に記載されているかの確認が重要です。

また、見積もり額は「企画費＋人件費＋諸経費」によって決まりますが、動画の内容や目的、制作方法によって大きく変動します。制作会社に依頼する前に、項目をしっかりと理解し、必要な要素を明確にしておくことが重要です。

また、見積もり額を抑えるための方法として、企画や素材の用意、撮影日数の短縮、近場での撮影も考えましょう。

動画制作・映像制作の見積書の内訳と料金・費用相場は、主に次の通りです。

動画制作の相場については以下のリンクをご覧ください。

関連記事：動画制作の相場について解説した記事はこちら

企画費は、動画制作の基盤を築くための費用です。主に次の2つが挙げられます。

各費用の詳細について詳しく見ていきましょう。

企画構成費

1つ目の企画費は、企画構成費です。

企画構成費は、動画の全体的なコンセプトやストーリーラインを決定するための費用です。依頼者との事前ミーティング、リサーチ、企画書の作成などが含まれます。

例えば、新商品プロモーション動画を制作する際には、ターゲット層の分析や競合調査を行い、結果を基にコンセプトを練り上げます。企画構成は動画制作の土台となるため、ここでの設計が動画の品質を大きく左右するでしょう。費用相場は5万円〜30万円程度です。

シナリオ作成費

2つ目の企画費は、シナリオ作成費です。

シナリオ作成費は、動画の台本や脚本を作成するための費用です。具体的なセリフ、シーンの順序、演出方法などを詳細に記載したシナリオを作成します。

例えば、製品紹介動画の場合、製品の特徴や使い方をわかりやすく伝えるために、具体的なセリフや映像の流れを決定します。シナリオは動画の内容を視覚化するための設計図であるため、撮影や編集のガイドとして不可欠です。費用相場は5万円～30万円が相場です。

人件費は、動画制作に携わるスタッフの費用です。主に次の5つが挙げられます。

ディレクション費

1つ目の人件費は、ディレクション費です。

ディレクション費は、動画制作全体を統括するディレクターに支払われる費用です。ディレクターは、撮影現場の進行管理、スタッフへの指示、演技指導、編集作業の監督などを行い、スムーズに進行するよう調整します。

ディレクターの経験やスキルによっても費用は異なります。例えば、複雑なシーンの撮影や多数のスタッフを管理する必要がある大規模なプロジェクトでは、ディレクション費が高くなる可能性も考慮しましょう。費用相場は10万円～100万円が相場です。

撮影スタッフ費

2つ目の人件費は、撮影スタッフ費です。

撮影スタッフ費は、撮影に携わるカメラマンやアシスタントの人件費です。カメラマンは映像の撮影を担当し、アシスタントは機材の準備や照明の調整などをサポートします。プロのスタッフを起用することで、より高品質な映像を撮影可能です。

例えば、商品のプロモーションビデオを制作する際、カメラマンは商品の細部を美しく撮影し、アシスタントは照明を適切に配置して最適な映像を作り出します。費用相場は、カメラマン1日あたり5万円〜10万円、アシスタント1日あたり3万円〜5万円程度です。

編集スタッフ費

編集スタッフ費は、映像のカット編集、特殊効果の追加、音声の調整などを行う編集者の費用です。編集作業は動画の最終的な仕上げを行う重要な工程であり、ここでの品質が動画全体の完成度を決定します。

例えば、イベントのハイライト映像を編集する際、重要なシーンを強調したり、視覚効果を追加して視聴者の興味を引きつける映像の作成を行います。費用相場は、10万円〜50万円です。

ナレーター費

ナレーター費は、動画のナレーションを録音するための費用です。プロのナレーターを起用することで、メッセージを効果的に伝えられます。

録音スタジオの使用料も含まれることがあります。例えば、会社紹介動画では、プロのナレーターの声で会社の歴史や理念を語ることで、視聴者に強い印象を与えることも可能です。費用相場は、5万円〜8万円程度です。

役者・モデル費

5つ目の人件費は、役者・モデル費です。

役者・モデル費は、動画にキャスティングするモデルの費用です。役者やモデルのキャスティングによって動画の説得力や魅力が大きく変わります。

知名度や経験によって費用は大きく変動します。例えば、新製品の紹介ビデオで人気のあるモデルを起用することで、視聴者の関心を引きつけることも可能です。費用相場は、役者1日あたり10万円〜20万円、エキストラ1日あたり1万円〜3万円程度です。

諸経費は、撮影や編集に必要な設備や場所に関連する費用です。主に次の5つが挙げられます。

撮影機材費

1つ目の諸経費は、撮影機材費です。

撮影機材費は、カメラや照明機材、マイクなどの使用料です。高品質な機材を使用することで、映像のクオリティが向上します。レンタルする機材の種類や撮影日数に応じて費用が変動する点には注意が必要です。

例えば、企業紹介ビデオを撮影する際には、高解像度カメラや照明機器を使用して、企業のイメージを高める映像の作成を行います。費用相場は、カメラ本体1日あたり5万円〜15万円、照明機器1日あたり3万円〜10万円です

スタジオ・ロケ地費

2つ目の諸経費は、スタジオ・ロケ地費です。

スタジオ・ロケ地費は、撮影場所のレンタル費用です。スタジオや特定のロケーションで撮影を行う場合、使用料が発生します。撮影場所の選定は映像の雰囲気や品質に大きな影響を与えます。

例えば、企業のプロモーションビデオを撮影する際、企業のオフィスや特定のロケーションを使用することで、リアリティを演出できるでしょう。費用相場は、スタジオ1日あたり15万円〜35万円、ロケ地1日あたり10万円〜25万円です。

編集機材費

3つ目の諸経費は、編集機材費です。

編集機材費は、映像編集に必要な機材の使用料です。高性能な編集ソフトウェアやハードウェアを使用することで、映像の品質を向上できます。

例えば、複雑なCGや特殊効果を追加する際には、専門的な編集機材が必要です。費用相場は、編集ソフトやハードウェアの使用料1日あたり3万円〜10万円です。

音響効果費

4つ目の諸経費は、音響効果費です。

音響効果費は、動画に適切なBGMや効果音を追加するための費用です。新規に音楽や効果音を制作する場合や既存の音楽を使用する場合の費用が含まれます。音響効果は動画の雰囲気や感情を高めるために重要な要素です。

例えば、プロモーションビデオでは、商品の特徴を強調するためにダイナミックな効果音や感動的なBGMを使用します。費用相場は、1万円〜15万円程度です。

交通費・宿泊費

5つ目の諸経費は、交通費・宿泊費です。

交通費・宿泊費は、撮影スタッフやキャストの移動や宿泊にかかる費用です。撮影場所が遠方の場合や複数日にわたる撮影の場合に発生します。

例えば、地方でのロケ撮影を行う場合、スタッフの移動費や宿泊費が追加でかかります。費用相場は、移動する距離や方法によって大きく変動するため、注意しましょう。

動画制作を依頼するまでの手順は、以下の4つのステップに分けられます。

1. 依頼前に条件や目的を決めておく
2. 制作会社に連絡・打ち合わせ
3. 制作会社から企画の提案・見積もり
4. 動画制作・納品

見積もりが提供されるまでのタイミングを理解しておくことで、制作会社とのやりとりで今なにをするべきかがわかります。

依頼前に条件や目的を決めておく

依頼前に動画の目的や条件などを決めておきましょう。もし決めていないと動画を作る中で内容がブレてしまったり、思っていた完成品にならなかったりしてしまいます。

また、最初の打ち合わせで条件を共有しておくと制作会社と認識のズレを防げます。

事前に考えておきたい項目は、以下の4つです。

• 動画の目的やターゲット
• 想定予算
• 最終納期
• 素材を自社で用意するか、制作会社に用意してもらうか

依頼する前に決めておくと、打ち合わせがスムーズに進むだけでなく納得のいく作品ができるため準備しておきましょう。

制作会社に連絡・打ち合わせ

条件が決まったら制作会社へ連絡して、打ち合わせをセッティングしてもらいましょう。

打ち合わせでは、事前に作っておいた条件を伝えて制作会社と認識を合わせます。制作会社は初回の打ち合わせの内容をもとに企画案や見積もりを用意するため、希望は過不足なく伝える必要があります。

この時点で内容や完成に対して費用や納期が難しいとなる場合もあるため、担当者と十分に話しましょう。

打ち合わせの対応の速度や質を確認しておくと、契約してからスムーズに進むか判断ができます。

納得のいく作品を完成させるために制作会社との打ち合わせで、充分に認識を合わせましょう。

制作会社から企画の提案・見積もり

初回の打ち合わせが終わると、制作会社が内容をもとに企画の提案・見積もりを決めてくれます。

企画では全体の内容や撮影の有無などの大体の流れを共有してもらえるため、希望に沿っているか確認します。

とくに、動画が目的達成のために十分な内容になっているか確認しましょう。

見積書はこの時点で共有される傾向にあります。見積もりの金額だけでなく、条件も確認しましょう。たとえば、修正回数も2回までは無料で3回目以上は有料になるなどのケースがあるからです。

最初は予算範囲内だと思っていても、依頼していく中で追加の請求が発生してしまい予算オーバーになることも考えられます。

企画と見積もりが共有されるタイミングで内容を十分に確認してから、契約に進めましょう。

動画制作・納品

実際に契約を結んだら動画の制作が開始となります。ここから正式の企画書作成や字コンテ、絵コンテなどを作成します。

完成に直結する部分なので、問題がないかをチェックして密にコミュニケーションをとりましょう。

内容が決まったら動画撮影を始め、編集を経て完成します。完成品を確認して修正箇所があれば制作会社に伝えて改善していきましょう。

動画制作・映像制作で見積もりを安く抑えるポイントは、主に以下7つです。

• 動画制作会社に直接発注
• 参考動画や資料、素材を用意
• 事前に予算を設定
• フリー素材を活用
• キャストを用意
• 企画・構成を自社で対応
• 自社で撮影

動画制作や映像制作は、クオリティを追求すると費用がかさみがちです。ここで紹介するポイントを押さえることで、見積もりを安く抑えつつ、高品質な動画を制作できます。

動画制作会社に直接発注

1つ目のポイントとして、動画制作会社に直接発注しましょう。

代理店を通さず、直接制作会社に発注することで仲介手数料を省けます。代理店を利用する場合、仲介手数料が発生し、その分費用が増加します。

直接制作会社への依頼により、制作に関わる全体のコストを削減するだけでなく、制作会社とのコミュニケーションが円滑になり、見積もりや制作内容の調整がスムーズに進む点も魅力です。

直接のやり取りによって、具体的な要望や細かな変更点を迅速に伝えられ、結果として質の高い動画を効率的に制作することが可能です。

参考動画や資料、素材を用意

2つ目のポイントとして、参考動画や資料、素材を用意しましょう。

制作を依頼する際に、具体的な参考動画や資料、使用したい素材をあらかじめ用意しておくと、制作会社側の準備作業が軽減され、費用を抑えられます。

例えば、既存のプロモーション動画や他社の成功事例などを参考にして提示することで、制作会社はイメージをつかみやすくなり、企画や構成の打ち合わせが効率化されます。

また、自社で保有している画像や映像、音楽素材を提供することで、追加の素材購入費や制作費を削減可能です。具体的な資料を事前に用意し、打ち合わせの時間の短縮を行えば、スムーズな制作進行が期待できます。

事前に予算を設定

3つ目のポイントとして、事前に予算を設定しましょう。

事前に明確な予算を設定し、予算の範囲内での制作依頼によって無駄な費用の発生を防げます。制作会社に予算を伝えることで、予算の範囲内で効果が出せるような提案を受けられ、コストパフォーマンスの高い制作が可能です。

例えば、予算内でどのようなクオリティの動画が制作できるのか、具体的なプランを提案してもらうことで、費用対効果の高い動画制作が実現します。事前に予算の設定を行えば、制作の方向性が明確になり、無駄なコストを避けられるでしょう。

フリー素材を活用

4つ目のポイントとして、フリー素材を活用しましょう。

BGMや効果音、画像など、無料で使用できるフリー素材を積極的に活用することで、素材費を大幅に削減できます。インターネット上には商用利用可能なフリー素材が数多く存在するため、上手に活用して制作費用を抑えつつ、クオリティの高い動画制作を行うことも可能です。

例えば、フリーの音楽素材を使用することで、音楽制作やライセンス費用を削減できます。また、フリー素材をうまく組み合わせることで、独自性を保ちながらコストを削減可能です。

キャストを用意

5つ目のポイントとして、キャストを用意しましょう。

エキストラや出演者を自社の社員で対応することで、キャスティング費用を削減可能です。特に社内向けや内部のプロモーション動画の場合、社員の出演で費用を抑えられるだけでなく、企業の雰囲気をより自然に伝えられます。

例えば、製品の使用方法を説明する動画で自社開発担当者の出演によって、専門的な知識を持った信頼性の高い映像を制作できます。社員の出演に寄って、視聴者に親近感を与え、企業の信頼性を高める効果も期待できるでしょう。

企画・構成を自社で対応

6つ目のポイントとして、企画・構成を自社で対応しましょう。

動画の企画や構成を自社で対応することで、制作会社に依頼する際の企画費用を削減できます。自社でマーケティングや動画制作の知識がある場合、具体的な企画や構成を用意しておくことで、制作の効率化と費用の削減が可能です。

例えば、動画の目的やターゲット、伝えたいメッセージを明確にしておくことで、制作会社との打ち合わせがスムーズになり、無駄な時間と費用を省けます。また、自社で事前に市場調査や競合分析を行っておくことで、より具体的で効果的な企画を立案できるでしょう。

自社で撮影

7つ目のポイントとして、自社で撮影しましょう。

撮影を自社で行うことで、撮影費用を大幅に削減できます。自社のオフィスや施設を利用することで、ロケ地の使用料や交通費を削減可能です。スマートフォンや手軽なカメラ機材の導入によって、さらに費用を抑えつつ、高品質な動画を制作できます。

自社での撮影は、費用を削減するだけでなく、撮影スケジュールの柔軟性や迅速な対応が可能です。例えば、製品の簡単なデモ動画や社内イベントの記録など、手軽な撮影が可能な場合には、自社での撮影を検討する価値があるでしょう。

動画制作・映像制作の見積書に関する注意点は、主に次の3つです。

• 権利関係は明確に
• 不要な費用は削る
• わからない点は必ず質問する

見積書にはさまざまな項目が記載されており、注意深く確認しないと予算オーバーや予期せぬ追加費用が発生する可能性があります。次の注意点を確認して、見積書の内容をしっかりと理解しましょう。

権利関係は明確に

1つ目の注意点として、権利関係は明確にしましょう。

動画制作には、映像や音楽、イラストなどのさまざまなコンテンツが使用されます。そのため、著作権や使用権の問題は重要です。

見積書に、権利関係が明確に記載されているかを確認しましょう。制作後に二次使用や他の媒体での使用を予定している場合、権利が誰に帰属するのか、追加費用が発生するのかを事前に明確にしておく必要があります。次の点を留意しましょう。

• 映像や音楽の著作権は誰に帰属するのか
• 二次使用や他の媒体での使用に関する権利
• 追加費用が発生する条件

権利関係を明確にしておくことで、後々のトラブルを防げます。

動画制作の著作権については以下のリンクをご覧ください。

関連記事：動画制作の著作権について解説した記事はこちら

不要な費用は削る

2つ目の注意点として、不要な費用は削りましょう。

見積書には、必要のない項目が含まれている場合もあります。不要な費用を削除することで、コストを削減できます。例えば、不要な高額機材のレンタル費や過剰な人員の配置などが含まれていないかを確認し、本当に必要な費用だけの内容に絞り込むことが重要です。

また、自社で対応可能な部分があれば、その部分を依頼から外すことでさらに費用を抑えられます。次の点を留意しましょう。

• 高額機材のレンタル費が本当に必要か
• 過剰な人員の配置がされていないか
• 自社で対応可能な部分を依頼から外す

見積書を精査し、無駄なコストを削減しましょう。

わからない点は必ず質問する

3つ目の注意点として、わからない点は必ず質問しましょう。

見積書に記載されている項目や費用など、わからない点や不明な点があれば、制作会社に質問することが重要です。理解しないまま進めると、後々トラブルや追加費用が発生する可能性もあります。

制作会社はプロであり、初歩的な質問でも丁寧に説明してくれます。すべての項目に納得した上で契約を進めることで、安心して制作を依頼できるでしょう。次の点を留意しましょう。

• 不明な用語や項目を質問する
• 費用の詳細や内訳を確認する
• 納得できるまで説明を受ける

質問を恐れず、納得のいく説明を受けることで、安心してプロジェクトを進められます。

動画制作は、予算や制作に関するノウハウの有無によって、外注先や制作費用が大きく変わります。「少額の予算で抑えたい」「自社に動画制作のノウハウがある」場合には、見積もりを詳細に確認し、自社で対応可能な部分や不要な費用を削減する工夫が重要です。

動画制作・映像制作の見積もりに関するポイントをしっかりと把握し、効果的な動画制作を実現しましょう。一方、総合的なサポートをお願いしたい場合には、動画制作会社を利用して高品質な動画を制作してもらうのがおすすめです。

例えば、トック企画のような会社は、印刷、映像、WEB事業など幅広い分野での事業実績があり、1997年から続く信頼と実績を持っています。トック企画の社員としてディレクターやカメラマン、編集者、アニメーターが在籍し、依頼者の想いを汲み取った高品質な動画の作成が期待できます。

プロに総合的にサポートしてもらいたいとお考えの方は、「トック企画」へ相談してみてください。