展示会の費用はどれくらいかかる？出展料から準備費用まで内訳と相場

展示会への出展を検討する際、まず気になるのが「いったい全体でどれくらいの費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。初めて出展される企業にとっては、見えにくいコストが多く不安を感じることもあるかもしれません。

この記事では、展示会にかかる費用の全体像から内訳、さらにコスト削減のための実践的なポイントまで詳しくご紹介します。これを読めば、予算の見積もりがしやすくなり、安心して準備を進められるようになります。

展示会の規模やブースのグレード、準備する内容によって大きく変動するため、まずは自社の出展目的と予算をしっかり整理しておくことが大切です。

初めての出展の費用目安は?

初めて展示会に出展する企業の場合、1小間（3m×3m程度の標準的なサイズ）で約60万円〜100万円が現実的な予算の目安です。この金額には、出展料、簡易的なブース装飾、最低限の印刷物やノベルティ、スタッフの交通費などが含まれます。

一方で、こだわったブースデザインや充実した販促物を準備する場合は、100万円を超えることも珍しくありません。そのため、まずは自社の出展目的を明確にし、「集客重視」「ブランディング重視」「商談重視」などの軸を決めたうえで、どこにコストをかけるかを判断してみてはいかがでしょうか。

規模や展示会によって費用は大きく変動する

展示会の費用は、開催地域や主催者、業界によって大きく異なります。例えば、東京ビッグサイトや幕張メッセなどの首都圏の大規模会場では、1小間あたりの出展料が40万円〜50万円以上かかるのに対し、地方の展示会では20万円前後から出展できることもあります。

また、RX Japan社のような大手主催者の展示会は出展料が高めに設定されていますが、その分来場者数も多く、商談機会が得やすいという利点があります。一方で、地方の展示会は費用を抑えられる反面、ターゲット層が限定的になる場合もあるため、費用と効果のバランスを考慮して選ぶことが重要です。

展示会の総費用を正確に把握するには、まず何にいくらかかるのか、内訳を理解しておくことが重要です。主な費用項目は、出展料、ブース施工・装飾費、集客・販促ツール制作費、スタッフの人件費、運搬費の5つに分けられます。

それぞれの項目について、相場と準備のポイントを確認していきましょう。

出展料（小間代）の相場

出展料は、展示会の主催者に支払う「場所代」であり、小間（こま）という単位で計算されます。1小間のサイズは展示会によって異なり、一般的な展示会では3m×3mを1小間とする場合が多いですが、RX Japan社の展示会では6m×2.7mが1小間となっています。

東京ビッグサイトや幕張メッセなどの大規模展示会では、1小間あたり約45万円～100万円が相場ですが、地方の会場では20万円～30万円程度から出展できることもあります。展示会によって1小間のサイズと料金設定が異なるため、出展前に主催者の公式サイトで確認することをおすすめします。

ブース施工・装飾費用

ブースの施工・装飾費用は、展示会の印象を左右する重要な要素です。一般的に、1小間サイズのシステムブース（組み立て式の簡易ブース)であれば約40万円～55万円、木工ブース(オーダーメイド)であれば約60万円～85万円が相場となります。

システムブースは既製品の組み合わせで施工するため費用を抑えられますが、デザインの自由度は限られます。一方、木工ブースはオリジナルデザインで作るため、ブランドイメージを強く打ち出せる反面、費用は高めになります。

また、バックパネルやテーブルクロス、照明などの装飾小物も含めると、さらに費用は増えるため、予算と目的に合わせて検討してみてはいかがでしょうか。

集客・販促ツール制作費

展示会で来場者に配布するチラシやパンフレット、ノベルティなどの販促ツール制作費も重要な費用項目です。A4サイズのチラシ(300～500部)であれば、デザインと印刷を含めて約3万円～5万円が目安ですが、両面デザインや高品質な紙を使用する場合は5万円～15万円程度になることもあります。

パンフレットの場合、2つ折り4ページタイプで約20万円前後、8ページの中綴じ冊子であれば20万円～25万円程度が相場です。また、ノベルティは500～1,000個で10万円～30万円が一般的な予算となります。

これらの販促物は、来場者との接点を作り、展示会後の商談につなげるための重要なツールです。そのため、予算内で目的に合ったアイテムを選ぶことが、費用対効果を高めるポイントとなります。

スタッフの人件費・運営費

展示会当日のスタッフ配置にかかる人件費や、運営に必要な経費も忘れずに計上しておきましょう。自社スタッフであれば、交通費や宿泊費、日当が主なコストとなり、2～3名で1日あたり5万円～10万円程度が目安です。

また、外部のイベントコンパニオンやナレーターを依頼する場合は、1名あたり1日2万円～5万円程度が相場となります。さらに、当日の飲食費や備品の購入費、予備の資材費なども運営費として考慮しておくと安心です。

このように、人件費や運営費は細かい項目が多いため、事前にリストアップして予算を確保しておくことが大切です。

運搬費・物流費

展示会のブース装飾資材や展示物、配布物などを会場に運ぶための運搬費・物流費も必要です。一般的に、小規模なブース(1～2小間)であれば、宅配便や軽トラックでの配送で5万円～10万円程度が目安となります。

一方、大型の什器や重量物を運ぶ場合は、専門の物流業者に依頼する必要があり、10万円～30万円程度かかることもあります。また、展示会終了後の撤収・返送にも同程度の費用がかかるため、往復の物流費を見込んでおくことが重要です。

さらに、会場への搬入・搬出には時間指定や専用業者の利用が義務付けられている場合もあるため、事前に展示会主催者の規定を確認しておくと安心です。

展示会の費用は、ブースのサイズ(小間数)によって大きく変わります。自社の出展目的や予算に応じて、適切なサイズを選ぶことが重要です。

ここでは、主要な展示会主催者や地域別の費用相場を確認していきましょう。

RX Japan社主催の展示会の場合の費用例

RX Japan社は、日本最大級の展示会主催会社であり、東京ビッグサイトや幕張メッセで多くの展示会を開催しています。同社の展示会では、1小間のサイズが6m×2.7m(約16.2㎡)に設定されており、1小間の出展料は約90万円が標準です。

また、半小間(0.5小間、3m×3m)の場合は約45万円が目安となります。これに加えて、ブース装飾費やその他の費用(約20万円～)を含めると、0.5小間で総額約110万円、1小間で約200万円が最低限必要な予算の目安です。

RX Japan社の展示会は来場者数が多く、高い集客効果が期待できる反面、出展料も高めに設定されているため、費用対効果をしっかり見極めることが大切です。

その他の展示会や地方の展示会の費用相場

RX Japan社以外の展示会や、地方で開催される展示会では、比較的リーズナブルな料金で出展できることがあります。例えば、一般的な展示会では1小間(3m×3m)の出展料が約20万円～50万円が相場であり、地方の中規模展示会場では20万円前後から出展可能です。

地方の展示会は出展料を抑えられる利点がある一方で、来場者層やターゲットの範囲が限定される場合もあるため、自社の営業エリアや目的に合わせて選ぶことがポイントです。

ブース装飾のグレード別価格帯｜システムブースと木工ブース

ブース装飾には、大きく分けてシステムブースと木工ブースの2種類があり、それぞれ費用とデザインの自由度が異なります。システムブースは、既製のパネルやフレームを組み合わせて作る簡易的なブースで、1小間サイズであれば約40万円～55万円、2小間で約60万円～90万円、4小間で約110万円～180万円が相場です。

一方、木工ブースはオーダーメイドで設計・施工するため、デザインの自由度が高く、ブランドの世界観を表現しやすい利点があります。木工ブースの費用は、1小間で約60万円～85万円、2小間で約90万円～140万円、4小間で約170万円～270万円となり、システムブースよりも1.5倍～2倍程度のコストがかかります。

初めての出展や予算を抑えたい場合はシステムブースが適していますが、ブランディングを重視する場合は木工ブースを検討してみてはいかがでしょうか。

展示会の費用は、工夫次第で大幅にコストダウンできる可能性があります。ここでは、展示会に慣れた企業が実際に取り組んでいる、実践的なコスト削減の方法を7つご紹介します。

補助金・助成金を活用して費用の1/2～2/3を削減

展示会の出展費用には、国や自治体が提供する補助金・助成金を活用できる場合があり、対象経費の1/2〜2/3を支援してもらえる制度が多くあります。例えば、東京都中小企業振興公社の「展示会出展助成プラス」では、上限150万円、補助率2/3以内で展示会出展費用が補助されます。

また、小規模事業者持続化補助金では、補助率2/3以内で通常枠は上限50万円、インボイス特例（+50万円）や賃金引上げ特例（+150万円）を活用することで、最大250万円の支援を受けられることがあります。さらに、地方自治体でも独自の助成制度を設けている場合があり、花巻市では国内展示会で上限100万円(補助率1/2)、海外展示会で上限200万円(補助率2/3)の補助金が利用可能です。

このように、補助金・助成金を活用することで、自己負担を大幅に減らせるため、出展を検討する際は必ずチェックしてみてはいかがでしょうか。

早期申込割引や複数回出展でコストダウン

多くの展示会では、早期申込割引制度が設けられており、締切より数か月前に申し込むことで出展料が5〜10%程度割引になることがあります。また、同じ展示会に複数回出展することで、リピーター割引や年間契約による割引が適用される場合もあります。

展示会の主催者によっては、複数の関連展示会にまとめて申し込むことで割引を受けられるパッケージプランも提供されています。このような割引制度を活用すれば、出展料だけでも数万円〜数十万円のコストダウンが見込めるため、展示会の公式サイトやパンフレットで早期申込の条件を確認しておくことをおすすめします。

パッケージブースの利用で装飾費を抑える

パッケージブースとは、主催者や施工会社が用意している定型のブース装飾セットのことで、デザインや施工の自由度は制限されますが、費用を大幅に抑えられる利点があります。一般的なパッケージブースには、バックパネル、テーブル、椅子、照明などの基本的な装飾がセットになっており、1小間で約30万円～50万円程度から利用できることが多いです。

オリジナルの木工ブースと比べると、約半額程度のコストで済むため、初めての出展や予算を抑えたい場合に適しています。また、パッケージブースでも、ロゴの掲示やポスターの配置などで自社らしさを演出することは可能です。

そのため、まずはパッケージブースで出展し、来年以降にオリジナルブースに切り替えるという段階的なアプローチも一つの方法です。

ブース資材を再利用して次回以降の費用を削減

ブースの装飾資材(パネル、什器、照明など)を再利用することで、次回以降の展示会出展時の費用を大幅に削減できます。特に、システムブースの部材は組み立て式のため保管しやすく、複数回の展示会で繰り返し使用することが可能です。

また、ロゴパネルやバックボード、テーブルクロスなどの汎用性の高いアイテムは、展示会が変わっても使い回せるため、初回の投資を抑えるよりも、再利用を前提とした資材選びを検討してみてはいかがでしょうか。

一方で、資材の保管には倉庫スペースや管理コストがかかる場合もあるため、出展頻度と保管費用のバランスを考慮することが重要です。

配布物やノベルティは目的に合わせて厳選する

展示会で配布するチラシやパンフレット、ノベルティは、目的に合わせて必要なものだけに絞ることで、無駄なコストを削減できます。例えば、来場者全員に配布する簡易チラシと商談につながった見込み客に渡す詳細パンフレットを使い分けることで、高品質な資料の印刷部数を減らせます。

また、ノベルティについても、ターゲット層が喜ぶアイテムを少数精鋭で準備することで、費用対効果を高められます。展示会によっては、デジタルパンフレットやQRコードでの資料提供も増えているため、印刷物の量を減らしてデジタルツールを活用する方法も検討してみてはいかがでしょうか。

システム部材の活用で施工費を削減

システム部材とは、組み立て式のフレームやパネルで構成されるブース装飾の部材のことで、木工ブースに比べて施工時間が短く、人件費や施工費を抑えられます。システム部材は規格化されているため、デザインの自由度は限られますが、シンプルで清潔感のあるブースを低コストで仕上げることができます。

また、システム部材は再利用しやすく、複数回の展示会で使い回すことで、長期的なコスト削減にもつながります。一方で、ブランドイメージを強く打ち出したい場合や、他社と差別化したい場合は、部分的に木工装飾を取り入れるハイブリッド型のブースも選択肢の一つです。

一括発注できる業者を選んで手間とコストを削減

展示会の準備では、ブース施工、デザイン、印刷物、動画制作、WEB制作など、複数の業者に発注することが一般的ですが、それぞれの業者とやり取りする手間や、デザインの統一感を保つことが課題になります。

そこで、印刷・デザイン・動画・WEB制作をワンストップで対応できる会社に一括発注することで、窓口が一本化され、時間と手間を大幅に削減できます。また、ワンストップ対応の会社であれば、ブース装飾と配布物のデザインを統一しやすく、ブランドの世界観を一貫して伝えられる利点もあります。

さらに、展示会に慣れた会社であれば、準備スケジュールや必要な資材について的確な提案を受けられるため、初めての出展でも安心して任せられます。このように、複数業者への個別発注で発生するコミュニケーションコストや調整の手間を省くことで、トータルでのコスト削減と効率化が実現できます。

展示会の出展費用は、国や地方自治体が提供する補助金・助成金を活用することで、自己負担を大幅に減らすことができます。ここでは、代表的な補助金制度と、利用時のポイントをご紹介します。

事業再構築補助金は最大いくらまで対応？

事業再構築補助金は、中小企業が新たな事業展開や業態転換を行う際に活用できる補助金制度です。この補助金では、展示会出展費用も対象経費の一部として認められる場合があり、補助率は通常2/3以内、補助上限額は申請枠によって異なりますが、数百万円から最大1億円規模の支援を受けられる場合もあります。

ただし、事業再構築補助金は、単なる展示会出展ではなく、新規事業や事業転換の一環として出展する場合に限られるため、申請には事業計画書の提出や審査が必要です。募集期間や申請条件は年度ごとに変わるため、経済産業省の公式サイトや中小企業庁の情報を定期的にチェックすることをおすすめします。

東京都中小企業振興公社の展示会出展助成事業

東京都内の中小企業が利用できる代表的な助成金として、東京都中小企業振興公社の「展示会出展助成プラス」があります。この助成事業では、出展料やブース装飾費、販促物制作費などが対象となり、助成率は2/3以内、上限額は150万円です。

申請期間は令和7年4月から令和8年1月まで、全10回の募集が行われる予定ですが、予算枠に達し次第終了となるため、早めの申請が推奨されます。また、「市場開拓助成事業」という別の制度もあり、こちらは助成率1/2以内、上限300万円で、東京都内に本店または支店があり、実質的な事業活動を1年以上行っている中小企業が対象です。

このように、東京都では複数の助成制度が用意されているため、自社の状況に合った制度を選んで活用してみてはいかがでしょうか。

自治体ごとの助成制度も要チェック

国や東京都以外にも、各地方自治体が独自の展示会助成制度を設けている場合があります。例えば、大阪府では、ものづくり中小企業を対象に、助成率1/2以内、上限25万円の助成金が提供されています。

また、岩手県花巻市では、『企業競争力強化支援事業（展示会出展事業）』として、国内外の展示会出展に対し、補助率1/2以内で上限15万円の補助金が利用可能です。なお、別途『花巻市農商工連携事業補助金』では、広報宣伝費や展示会等出展費を含む販路開拓経費について、補助率1/2で上限200万円の支援制度があります。さらに、福岡県や北海道など、各地域で展示会出展を支援する制度が整備されているため、自社の所在地や展示会の開催地域に応じて、利用可能な助成金を調べてみることが大切です。

自治体の助成制度は、商工会議所や地域の中小企業支援センターに相談することで、最新情報や申請方法を詳しく教えてもらえます。

展示会にかかった費用を正しく経理処理するには、適切な勘定科目に振り分けることが重要です。ここでは、一般的な勘定科目の考え方と、処理時の注意点を確認していきましょう。

基本は「広告宣伝費」として計上

展示会の出展費用は、基本的に「広告宣伝費」として計上するのが一般的です。広告宣伝費には、出展料(小間代)、ブース装飾費、パンフレットやチラシなどの印刷物制作費、ノベルティの購入費などが含まれます。

また、スタッフの交通費や宿泊費は「旅費交通費」、資材の運搬費用は「運搬費」または「荷造運賃」として別途計上します。一方で、ブースの装飾資材が高額で複数年にわたって使用する場合は、固定資産として計上し、減価償却を行うことも考慮すべきです。

このように、展示会費用はさまざまな勘定科目に分類されるため、支出の発生時に適切に仕訳を行い、後で確認しやすいように整理しておくことが大切です。

視察目的なら「会議費」「研修費」の場合も

展示会への出展ではなく、視察や情報収集を目的として参加する場合は、「会議費」や「研修費」として計上することが適切な場合があります。例えば、業界動向を調査するために展示会に参加し、入場料や資料代を支払った場合は、研修費として処理することが一般的です。

また、取引先との商談や打ち合わせのために展示会場を利用した場合は、会議費として計上することもあります。このように、展示会に関する費用は、その目的や用途によって適切な勘定科目が異なるため、支出の目的を明確にしたうえで処理することが重要です。

展示会費用で失敗しないための注意点

展示会の費用を抑えることは大切ですが、コスト削減ばかりを優先すると、かえって成果が出ないリスクもあります。ここでは、展示会費用で失敗しないために押さえておきたい注意点をご紹介します。

コスト削減を優先しすぎて集客効果が下がるリスク

展示会の費用を抑えるために、ブース装飾や販促物を最低限にしてしまうと、来場者の目に留まりにくくなり、集客効果が下がってしまうことがあります。例えば、簡易的なパッケージブースで出展する場合でも、ロゴやキャッチコピーを目立たせる工夫をしないと、他のブースに埋もれてしまい、名刺交換や商談の機会を逃してしまう可能性があります。

また、配布物やノベルティを極端に減らしすぎると、来場者に自社を印象付けることが難しくなります。そのため、コスト削減を行う際は、「どこにお金をかけるべきか」を明確にし、集客や商談につながる部分には適切な予算を配分することが重要です。

見た目だけに予算をかけて成果が出ないケース

逆に、ブースのデザインや装飾に予算をかけすぎて、肝心の集客施策や商談準備が不十分になるケースもあります。例えば、豪華な木工ブースを作っても、スタッフが少なくて来場者対応が追いつかなかったり、配布資料が不足して商談後のフォローができなかったりすると、展示会の成果は上がりません。

また、見た目が立派でも、展示している製品やサービスの魅力が伝わらなければ、商談にはつながりにくくなります。そのため、ブースの装飾だけでなく、スタッフの配置や商談スペースの確保、配布物の質と量のバランスなど、トータルで準備を進めることが大切です。

見落としがちな費用項目を事前に確認する

展示会の準備では、出展料やブース装飾費以外にも、見落としがちな費用項目があります。例えば、会場への搬入・搬出時の車両駐車料金や、電気・インターネット回線の使用料、ゴミ処理費用などは、後から追加請求されることがあります。

また、当日のスタッフの食事代や、急な資料の増刷費用、予備のノベルティ購入費なども、予算に含めておかないと想定外の支出が発生します。さらに、展示会によっては、出展者登録バッジの追加発行や、駐車場の予約料金などが別途かかる場合もあるため、主催者から提供される出展マニュアルをしっかり確認し、必要な費用をリストアップしておくことをおすすめします。

展示会の費用について、よく寄せられる質問をまとめました。これらを参考に、不安や疑問を解消していただければ幸いです。

展示会にかかる経費はどれくらいですか？

展示会にかかる経費は、出展規模や展示会の種類によって大きく異なりますが、一般的には100万円〜500万円が目安です。小規模なブース(1小間)で最低限の装飾と販促物を準備する場合は、約60万円〜100万円が現実的な予算となります。

一方、木工ブースやオリジナルデザインの装飾、充実した販促ツールを準備する場合は、200万円〜500万円程度が必要になることもあります。さらに、複数小間の出展や海外展示会への参加では、500万円以上かかるケースも珍しくありません。

そのため、まずは自社の出展目的を明確にし、必要な費用項目をリストアップして見積もりを取ることが大切です。

展示会ブースの費用の相場はいくらですか？

展示会ブースの費用相場は、ブースのサイズとグレードによって異なります。1小間(3m×3m)のシステムブースであれば約40万円〜55万円、木工ブースであれば約60万円〜85万円が一般的です。

2小間(3m×6m)の場合は、システムブースで約60万円〜90万円、木工ブースで約90万円〜140万円が相場となります。また、4小間(6m×6m)では、システムブースで約110万円〜180万円、木工ブースで約170万円〜270万円が目安です。

このように、ブースのサイズが大きくなるほど、また木工ブースのようなオーダーメイドの装飾を選ぶほど、費用は高くなります。

展示会の小間料の相場はどれくらいですか？

展示会の小間料(出展料)は、開催地域や主催者によって大きく異なります。東京ビッグサイトや幕張メッセなどの首都圏大規模会場では、1小間(3m×3m)あたり約40万円〜50万円が相場です。

特にRX Japan社が主催する展示会では、1小間(6m×2.7m)で約90万円、半小間(3m×3m)で約45万円が標準的な料金設定となっています。一方、地方の展示会では1小間あたり約20万円〜30万円で出展できることもあり、北海道や東北、九州などでは比較的リーズナブルな料金が設定されています。

このように、小間料は展示会の規模や地域によって幅があるため、出展を検討する際は複数の展示会を比較してみることをおすすめします。

展示会出展費用は経費として計上できますか？

展示会の出展費用は、事業に関連する支出として経費計上が可能です。一般的には「広告宣伝費」として処理し、出展料やブース装飾費、印刷物制作費、ノベルティ購入費などをまとめて計上します。

また、スタッフの交通費や宿泊費は「旅費交通費」、資材の運搬費用は「運搬費」または「荷造運賃」として別途仕訳します。視察目的で展示会に参加した場合は、「会議費」や「研修費」として処理することもあります。

ただし、ブース装飾の資材を複数年使用する場合は、固定資産として計上し減価償却を行う必要がある場合もあるため、高額な資産の取り扱いについては税理士に相談することをおすすめします。

初めて展示会に出展する場合の推奨予算は？

初めて展示会に出展する場合、1小間(3m×3m程度)で約60万円〜100万円を目安に予算を組むことをおすすめします。この金額には、出展料(約20万円〜50万円)、簡易的なブース装飾(約30万円〜50万円)、印刷物やノベルティ(約10万円〜20万円)、スタッフの交通費や運搬費(約10万円〜20万円)が含まれます。

初回の出展では、まず展示会の雰囲気や来場者の反応を把握することが重要なので、無理に高額なブース装飾にこだわらず、シンプルなパッケージブースで出展して様子を見るのも一つの方法です。

また、補助金や助成金を活用できれば、自己負担を1/2〜2/3に抑えられる場合もあるため、事前に利用可能な制度を調べておくと安心です。

展示会の準備は、出展料の確保からブース装飾、販促物の制作、当日の運営まで、多岐にわたる作業が必要です。複数の業者とやり取りしながら進めると、時間も手間もかかり、デザインの統一感を保つことも難しくなります。

そこで、印刷・デザイン・動画・WEB制作をワンストップで対応できる会社に相談することで、窓口が一本化され、スムーズに準備を進められます。展示会に慣れた会社であれば、スケジュール管理や必要な資材の提案もしてもらえるため、初めての出展でも安心です。

トック企画では、東京ビッグサイトや幕張メッセなどの全国の展示会準備を、印刷・デザイン・動画・WEB制作までワンストップでサポートしています。ぜひお気軽にご相談ください。

全国の展示会準備をワンストップでサポート

トック企画では、展示会に必要なチラシやパンフレット、ブースで使用する動画コンテンツ、集客用のWEBページ制作まで、一貫して対応しています。窓口を一本化することで、デザインの統一感が保たれ、ブランドの世界観を効果的に伝えられます。

また、展示会の準備スケジュールに合わせた柔軟な対応や、小回りの効く提案も得意としています。東京ビッグサイトや幕張メッセでの展示会出展をご検討の際は、ぜひトック企画にご相談ください。