最終更新日:2025/12/25

展示会出展の費用対効果の目安は?初心者でもわかるROI計算の方法

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展示会への出展を決めたものの、「本当に費用に見合う効果が得られるのだろうか」と不安を感じていませんか?出展には多くの費用がかかりますし、社内で費用対効果を説明する必要もあるため、どのように測定すればよいか悩まれる方も多いでしょう。

この記事では、展示会の費用対効果(ROI)の基本的な考え方から具体的な計算方法、効果を高めるためのポイントまで詳しく解説します。

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木林完介

木林完介

株式会社トック企画代表取締役

門前仲町生まれ。大学卒業後、3年をかけて世界一周をする。帰国後、家業の印刷・デザインの会社に就職し、2010年に代表取締役社長に就任。就任後は印刷だけでなく映像制作・WEB制作・イベント企画運営など事業を拡大する。

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目次

展示会の費用対効果(ROI)とは?なぜ重要なのか

展示会への出展を検討する際、まず理解しておきたいのが費用対効果(ROI)という考え方です。ROIとは「Return On Investment」の略で、投資した費用に対してどれだけの利益を得られたかを示す指標になります。

展示会という大きな投資を行う以上、その効果を測定して次回の改善につなげることが欠かせません。

費用対効果(ROI)の基本的な考え方

費用対効果(ROI)とは、投資した金額に対してどれだけのリターン(利益)が得られたかを数値化したものです。つまり、展示会に100万円をかけて、その結果として300万円の利益が得られたなら、ROIは200%となります。

この指標が重要な理由は、展示会出展という投資判断を客観的に評価できるためです。例えば、複数の展示会への出展を検討している場合、それぞれのROIを比較することで、どの展示会に注力すべきかを判断する材料になります。また、社内で予算承認を得る際にも、過去のROIデータがあれば説得力のある説明が可能になるでしょう。

ただし、展示会の効果は必ずしも短期的な売上だけで測れるものではありません。そのため、ROIを計算する際は、直接的な受注だけでなく、将来的な商談につながる見込み客の獲得や、ブランド認知度の向上といった側面も考慮することが大切です。

展示会出展でROIを測定する意義

展示会のROIを測定することには、いくつかの重要な意義があります。

まず第一に、限られた予算を効果的に配分するための判断材料となる点です。展示会以外のマーケティング施策(Web広告やセミナー開催など)と比較して、どの施策が最も費用対効果が高いかを把握できます。

次に、展示会準備や当日の運営における改善点を明確にできるという利点があります。例えば、前回の展示会でROIが低かった場合、「事前集客が不足していた」「ブースデザインが目を引かなかった」「獲得したリードへのフォローが遅れた」といった具体的な課題を特定し、次回の出展に活かすことができるでしょう。

さらに、ROIの測定を継続することで、自社の展示会出展におけるノウハウが蓄積されていきます。一般的なBtoB展示会では、初回出展よりも2回目、3回目と回を重ねるごとに効果が高まる傾向があります。これは、継続的な測定と改善によって、自社に最適な出展方法が確立されていくためです。このように、ROI測定は単なる数字の計算ではなく、展示会マーケティングを成功に導くための重要なプロセスといえます。

展示会の費用対効果を計算する方法

費用対効果を測定するには、まず基本的な計算方法を理解することが大切です。ここでは、展示会のROIを算出するための具体的な計算式と、実際の数値を使った計算例をご紹介します。

これらを参考に、自社の展示会出展の効果を測定してみてください。

ROIの基本的な計算式

展示会のROI(投資収益率)は、次の計算式で求めることができます。

ROI(%)=(展示会による利益 − 展示会にかかった総費用)÷ 展示会にかかった総費用 × 100

この式における「展示会による利益」とは、展示会をきっかけに得られた売上から、その売上を生み出すためにかかった原価を差し引いた金額です。一方、「展示会にかかった総費用」には、出展料、ブース施工費、印刷物費、人件費、交通費など、展示会に関連するすべての支出が含まれます。

より簡潔に表現すると、「(利益 − 投資額)÷ 投資額 × 100」でROI(%)が算出できるということです。例えば、200万円を投資して600万円の利益が得られた場合、ROIは(600万円 − 200万円)÷ 200万円 × 100 = 200%となります。つまり、投資した金額の2倍の純利益を得られたことになるわけです。

ROIがプラスであれば投資が成功したといえますが、一般的には最低でも100%以上、つまり投資額と同等以上の利益を得ることが目標となります。

展示会出展の具体的な計算例

実際の展示会出展を想定して、具体的な数字でROIを計算してみましょう。ここでは、中小企業がBtoB展示会に3m×3mの小間で出展したケースを例に挙げます。

まず、展示会にかかった総費用は以下のように仮定します。出展料が50万円、ブース施工・装飾費が80万円、印刷物・ノベルティが20万円、人件費(3日間×3名)が30万円、その他の費用が20万円で、合計200万円です。

展示会で100件の名刺交換を行い、そのうち30件が商談に進み、最終的に5件の受注につながったとしましょう。1件あたりの受注金額が200万円、利益率が30%だとすると、展示会による利益は次のように計算できます。受注総額1,000万円(200万円 × 5件)× 利益率30% = 300万円となります。

これを先ほどのROI計算式に当てはめると、ROI = (300万円 – 200万円)÷ 200万円 × 100 = 50%となります。つまり、投資した200万円に対して100万円のプラス利益が得られたということです。ROIがプラスであることから、この展示会出展は費用対効果があったと評価できるでしょう。

ROIの目安と損益分岐点

展示会のROIについて、「どれくらいの数値を目指せばよいのか」という疑問を持たれる方も多いかと思います。一般的なBtoB展示会では、ROIが0%以上(つまり赤字にならない)であれば最低限の成功といえますが、一般的には、ROI 50~100%以上が望ましいとされることが多いでしょう。

損益分岐点とは、投資した費用と得られた利益が同額になるポイント、つまりROIが0%の状態を指します。先ほどの例で言えば、展示会にかかった総費用200万円と同額の利益200万円を得られれば損益分岐点に達したことになります。この場合、受注金額でいうと約666万円(200万円 ÷ 利益率30%)が損益分岐点となるでしょう。

ただし、展示会の費用対効果を評価する際には、短期的なROIだけで判断しないことが重要です。なぜなら、BtoB商材の場合、展示会での出会いから実際の受注まで数ヶ月から1年以上かかることも珍しくないためです。そのため、展示会直後のROIがマイナスでも、半年後、1年後に大型案件が成約すれば、最終的なROIは大きくプラスになる可能性があります。

このように、展示会の効果は中長期的な視点で評価することが大切といえます。

展示会出展にかかる費用の内訳と相場

費用対効果を正確に計算するには、展示会出展にかかる費用の全体像を把握することが欠かせません。

ここでは、展示会出展で発生する主な費用項目とその相場について詳しく解説します。初めて出展される方は、予算計画の参考にしてください。

小間数別の出展料相場

展示会出展で最も基本となる費用が出展料です。出展料は展示会の規模や知名度、会場、小間数によって大きく変動します。一般的なBtoB展示会の場合、1小間(3m×3m)あたりの出展料は、目安として30万円~80万円程度の幅があります。

例えば、東京ビッグサイトや幕張メッセで開催される大規模な業界展示会では、1小間あたり50万円~70万円程度が相場となることが多いでしょう。一方、地方都市で開催される中小規模の展示会では、1小間30万円~50万円程度と比較的リーズナブルな設定になっている場合もあります。

小間数を増やすほど出展料の総額は上がりますが、ブース面積が広がることで来場者へのインパクトが増し、より多くの商談機会を得られる可能性も高まります。初めて出展する場合は1~2小間からスタートし、効果を確認しながら次回以降の小間数を検討するという方法が一般的です。

なお、出展料には主催者が提供する基本的な装飾(パネルや看板など)が含まれる場合と、別途ブース施工費が必要な場合があるため、申込前に詳細を確認することをおすすめします。

ブース施工・装飾費用

ブースの施工・装飾費用は、展示会出展における大きな支出項目の一つです。この費用は、ブースのデザイン性や使用する素材、什器の種類によって大きく変動します。一般的な目安として、3m×3mの小間で30万円~100万円程度、6m×3mの小間で60万円~200万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

システムブース(主催者が用意する標準的なブース)を利用する場合は、比較的費用を抑えられますが、デザイン性や自由度には限界があります。一方、オリジナルのブースを施工する場合は、自社のブランドイメージを強く打ち出せる反面、費用は高くなる傾向があります。

ブース施工費には、基本的な壁面パネルや什器のレンタル費、グラフィックデザイン費、設営・撤去費などが含まれます。さらに、照明やディスプレイモニター、展示台、カウンターなどを追加すると、その分費用は上乗せされていきます。ブース装飾で重要なのは、費用をかければよいというものではなく、ターゲット来場者に効果的にアピールできるデザインかどうかという点です。

そのため、展示会に慣れた施工会社に相談しながら、予算内で最大の効果を得られるプランを検討することをおすすめします。

集客費用(DM・Web広告など)

展示会の費用対効果を高めるには、当日のブース来場者数を増やす事前集客が欠かせません。そのため、多くの企業がDMやWeb広告といった集客施策に費用を投じています。集客費用の目安は、展示会の規模や自社の認知度によって異なりますが、一般的には3万円~15万円程度、出展料の規模によっては出展料の10~30%程度を目安に予算を確保する企業が多い傾向にあります。

具体的な集客方法としては、既存顧客や見込み客への案内DM送付、展示会告知のためのメールマガジン配信、SNS広告やリスティング広告の出稿などがあります。DMの印刷・発送費用は、1,000通で目安として7万円~15万円程度(はがきDMの場合)、封書DMでは10万円~20万円程度となります。Web広告は月額5万円~20万円程度の予算で実施する企業が多い傾向にあります。

また、展示会公式サイトへのバナー広告掲載や、事前登録者向けのメール配信サービス(有料オプション)を利用する方法もあります。これらの費用は展示会によって異なりますが、数万円~数十万円程度が相場です。事前集客に力を入れることで、展示会当日の商談機会が大きく増える可能性があるため、予算が許す範囲で積極的に取り組むことをおすすめします。

その他の費用(人件費・ノベルティなど)

展示会出展では、出展料やブース施工費以外にも様々な費用が発生します。見落としがちな項目を事前にリストアップしておくことで、予算オーバーを防ぐことができるでしょう。

まず、スタッフの人件費や交通費・宿泊費です。展示会は通常2~3日間開催されるため、複数名のスタッフを派遣する場合、その期間の人件費や遠方からの交通費、宿泊費が必要になります。目安として、3日間×3名のスタッフで20万円~40万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

次に、来場者に配布するノベルティや印刷物の費用があります。名刺やパンフレット、チラシなどの印刷費は、内容や部数によって異なりますが、目安として5万円~20万円程度が一般的です。ノベルティについては、単価や数量によって幅がありますが、10万円~30万円程度の予算を確保している企業が多い傾向にあります。

その他にも、展示製品の運搬費用、電気・通信回線の使用料、保険料、カタログスタンドやタブレット端末のレンタル費用などが発生する場合があります。これらの細かな費用も積み重なると大きな金額になるため、事前に主催者から提供される出展マニュアルをよく確認し、必要な項目を漏れなくリストアップしておくことが大切です。

展示会準備で複数の業者に発注する場合、それぞれの見積もりを取りながら総予算を管理していくことになりますが、印刷・デザイン・ノベルティ制作などをワンストップで対応できる会社に相談すれば、費用の管理や調整がスムーズになり、結果的にコスト削減につながることもあります。

展示会の効果測定で見るべき指標

費用対効果を正確に把握するには、ROIだけでなく、展示会の成果を多角的に測定するためのKPI(重要業績評価指標)を設定することが重要です。ここでは、展示会で追うべき定量的・定性的な指標と、その活用方法について解説します。

適切なKPIを設定することで、展示会の効果をより詳細に分析し、次回の改善につなげることができるでしょう。

定量的な効果測定指標

定量的な指標とは、数値で明確に測定できる指標のことです。展示会における代表的な定量的指標としては、まずブース来場者数が挙げられます。展示会期間中に何名がブースを訪れたかをカウントすることで、ブースの集客力を評価できます。一般的な目安として、3m×3mのブースで1日あたり50~100名程度の来場があれば、一定の集客ができていると考えられます。

次に重要なのが、名刺交換数(リード獲得数)です。来場者のうち実際に名刺交換を行い、連絡先を獲得できた件数を記録します。BtoB展示会では、この名刺交換数が商談機会の母数となるため、非常に重要な指標といえるでしょう。また、名刺交換した見込み客のうち、どれだけが具体的な商談に進んだかを示す商談化率も追跡すべき指標です。

さらに、最終的な成約件数や受注金額も測定します。展示会をきっかけに何件の受注につながり、その合計金額がいくらだったかを記録することで、直接的な売上貢献を把握できます。これらの数値データを時系列で記録し、過去の展示会と比較することで、自社の展示会マーケティングの成長度合いを客観的に評価できるようになります。

定性的な効果測定指標

数値では測りにくいものの、展示会の成果として重要なのが定性的な指標です。これらは主観的な評価を含みますが、展示会の総合的な効果を判断する上で欠かせない要素となります。

まず、獲得したリードの質です。名刺交換数が多くても、自社のターゲットではない来場者ばかりでは意味がありません。そのため、獲得したリードを「すぐに商談可能」「将来的な見込み客」「情報収集のみ」といったランク付けを行い、質の高いリードがどれだけ獲得できたかを評価します。一般的には、獲得したリードのうち10~20%程度が商談につながれば、効果的な集客ができたといえるでしょう。

次に、ブランド認知度の向上も重要な指標です。展示会では、直接的な商談につながらなくても、多くの来場者に自社の存在を知ってもらえるという効果があります。展示会後にアンケートを実施したり、ウェブサイトのアクセス数の変化を確認したりすることで、認知度向上の度合いを測定できます。

また、競合他社の動向把握や業界トレンドの情報収集といった側面も、展示会出展の重要な成果です。これらの定性的な効果は数値化が難しいものの、中長期的な事業戦略を考える上で貴重な情報となるため、出展後にスタッフ間で振り返りミーティングを行い、記録として残しておくことをおすすめします。

1件あたりの獲得単価(CPA)の算出方法

展示会の費用対効果を測る指標として、1件あたりの獲得単価(CPA:Cost Per Acquisition)も非常に有用です。CPAとは、1件のリード(見込み客)を獲得するためにかかった費用を示す指標で、次の計算式で求められます。

CPA = 展示会にかかった総費用 ÷ 獲得したリード数

例えば、展示会に200万円かかり、100件の名刺交換(リード獲得)ができた場合、CPAは2万円となります。つまり、1件の見込み客を獲得するために2万円のコストがかかったということです。このCPAを他のマーケティング施策(Web広告やセミナーなど)と比較することで、展示会出展の費用対効果を相対的に評価できます。

一般的なBtoB展示会では、CPAの目安として数千円~1万円程度が相場とされています。出展規模や商材特性によって幅があり、小規模な展示会では1,500円~3,000円程度、大規模な展示会では8,000円〜10,000円程度となることもあります。ただし、この数値は業界や商材の特性、顧客単価によって大きく異なるため、自社の他のマーケティング施策と比較して判断することが重要です。

さらに踏み込んで、1件の成約を獲得するためにかかった費用(顧客獲得コスト)を算出することもできます。これは、展示会にかかった総費用を成約件数で割ることで求められます。この指標を顧客生涯価値(LTV)と比較すれば、展示会出展が長期的に見て採算が合うかどうかを判断できるでしょう。

展示会の費用対効果を高める方法

展示会の費用対効果を最大化するには、出展前の準備から当日の運営、そして事後のフォローまで、一貫した戦略が必要です。

ここでは、各フェーズで実践すべき具体的な方法をご紹介します。これらのポイントを押さえることで、限られた予算でも高い成果を得られる可能性が高まるでしょう。

【事前準備】明確な目的とKPI設定

展示会出展を成功させるための第一歩は、明確な目的とKPIを設定することです。「なぜ展示会に出展するのか」という目的が曖昧なまま準備を進めてしまうと、ブースデザインや当日の運営方針がぶれてしまい、結果的に費用対効果が低くなる傾向があります。

目的の設定例としては、「新規顧客を50件獲得する」「新製品の認知度を高める」「既存顧客との関係を深める」といった具体的な内容が考えられます。この目的に基づいて、追跡すべきKPI(名刺交換数、商談化率、成約件数など)を決定していきます。

KPIを設定する際のポイントは、達成可能かつ挑戦的な数値目標を設けることです。過去の展示会データや業界平均値を参考にしながら、「前回より20%向上させる」といった具体的な目標を立てましょう。また、目標は社内で共有し、出展スタッフ全員が同じ方向を向いて行動できる体制を整えることが大切です。目的とKPIが明確であれば、準備段階での優先順位付けもしやすくなり、効率的に準備を進められるでしょう。

【事前準備】ターゲット層の明確化と事前集客

費用対効果を高めるには、「誰に来てもらいたいか」というターゲット層を明確にすることが欠かせません。ターゲットが曖昧なままだと、ブースデザインやメッセージも焦点がぼやけてしまい、本当に商談したい見込み客を取り逃がしてしまう可能性があります。

ターゲット層の設定では、業種、企業規模、役職、抱えている課題などを具体的にイメージします。例えば、「製造業の品質管理部門の責任者で、検査工程の効率化に課題を感じている方」といった形でペルソナを設定すると、その後の施策が具体化しやすくなるでしょう。

ターゲットが決まったら、事前集客を積極的に行います。既存顧客や過去の展示会で獲得したリストに対して、招待状やメールで来場を促しましょう。展示会によっては来場者の事前登録リストを購入できる場合もあるため、それを活用してターゲット層に直接アプローチする方法も効果的です。事前にアポイントを取っておけば、展示会当日に確実に商談時間を確保でき、費用対効果の向上につながります。

一般的に、事前集客に力を入れた企業は、そうでない企業と比べて質の高いリードを多く獲得できる傾向があります。

【当日運営】魅力的なブース設計と体験型コンテンツ

展示会当日、数多くのブースが並ぶ中で来場者の足を止めるには、視覚的に魅力的で分かりやすいブースデザインが重要です。まず、遠くからでも何の会社か、何を扱っているかが一目で分かるような大きなキャッチコピーやビジュアルを配置しましょう。色使いや照明にも工夫を凝らすことで、他のブースとの差別化が図れます。

さらに効果的なのが、体験型コンテンツの導入です。単にパンフレットを配るだけでなく、製品のデモンストレーションや、来場者が実際に触って試せる展示を用意することで、記憶に残りやすくなります。例えば、タブレットを使ったインタラクティブなコンテンツや、VR体験、簡易的な診断サービスなどが考えられるでしょう。

ブース内のレイアウトにも配慮が必要です。来場者が入りやすいようにオープンな設計にする、商談スペースとデモスペースを分けるといった工夫で、スムーズな接客が可能になります。また、デジタルサイネージや動画コンテンツを活用すれば、限られたスペースでも多くの情報を効果的に伝えられます。ブース設計では、展示会に精通したデザイン会社に相談することで、予算内で最大限の効果を発揮できる提案を受けられるでしょう。

【当日運営】スタッフの役割分担とデータ収集の徹底

展示会当日の運営をスムーズに行うには、スタッフの役割分担を明確にしておくことが重要です。例えば、ブース前で来場者に声をかける「呼び込み担当」、製品説明を行う「デモ担当」、商談を進める「営業担当」といった形で役割を分けると、効率的に対応できます。各担当者には事前にトレーニングを行い、製品知識やトークスクリプトを共有しておきましょう。

特に重要なのが、来場者情報を確実に収集することです。名刺交換はもちろん、可能であれば名刺交換時に簡単なヒアリングを行い、「興味のある製品」「検討時期」「予算規模」といった情報をメモしておきます。この情報が、後日のフォローアップの質を大きく左右します。

データ収集にはデジタルツールの活用も効果的です。名刺管理アプリやリード管理システムを使えば、その場でスマートフォンやタブレットに情報を入力でき、後日の整理作業が大幅に効率化されます。また、ブース内にアンケート用のQRコードを設置し、来場者に自発的に情報を入力してもらう方法もあるでしょう。

こうしたデータを展示会終了後すぐに分析できる体制を整えておくことで、迅速なフォローアップにつなげられます。スタッフ間のコミュニケーションも密にとり、困ったことがあればすぐに相談できる雰囲気づくりも大切です。

【事後フォロー】迅速なアフターフォローとCRM活用

展示会の真の勝負は、実は終了後のフォローアップにあります。展示会で獲得したリードに対して迅速かつ適切なアプローチを行うことで、商談化率や成約率が大きく向上するためです。理想的には、展示会終了後3営業日以内、遅くとも1週間以内には何らかのコンタクトを取ることをおすすめします。

フォローアップの方法としては、まずお礼メールの送付から始めます。このメールには、展示会での面談のお礼とともに、相手の興味関心に合わせた資料や提案を添付すると効果的です。展示会当日に収集した情報をもとに、「あなたが興味を持たれていた製品について、詳細資料をお送りします」といったパーソナライズされたメッセージを送ることで、相手の反応率が高まるでしょう。

さらに、CRM(顧客関係管理)システムを活用して、獲得したリードを管理することも重要です。CRMに展示会で得た情報を登録し、フォローアップの進捗状況や商談の段階を可視化することで、営業チーム全体で効率的にリードをフォローできます。また、すぐに商談に至らなかったリードについても、定期的に有益な情報を提供し続けることで、将来的な受注につなげられる可能性があります。

このように、展示会を単発のイベントで終わらせず、中長期的な営業活動の起点として捉えることが、費用対効果を最大化する秘訣といえます。

【コスト削減】費用を最適化する工夫

展示会の費用対効果を高めるには、成果を上げるだけでなく、無駄なコストを削減することも重要です。ここでは、費用を最適化するための具体的な工夫をいくつかご紹介します。

まず、ブース施工費の見直しです。毎回新しいブースを作るのではなく、基本的な骨組みや什器を再利用できる設計にすることで、長期的にはコスト削減につながります。また、展示会によっては主催者が提供するシステムブース(標準ブース)を利用することで、施工費を大幅に抑えられる場合もあります。自社のブランドイメージとコストのバランスを考えて、最適な選択をしましょう。

次に、印刷物やノベルティの数量管理です。過去の展示会データをもとに適切な数量を発注することで、余剰在庫を減らせます。特に、日付や展示会名が入った資料は使い回しができないため、必要最小限の発注を心がけることが大切です。一方で、汎用性の高いパンフレットは多めに印刷しておくことで、単価を下げられる場合もあります。

また、複数の展示会に出展する場合、印刷物やノベルティ、ブース什器などをまとめて発注することで、ボリュームディスカウントを受けられる可能性があります。さらに、印刷・デザイン・ノベルティ制作などを一つの会社にまとめて依頼すれば、窓口が一本化されて管理コストが削減されるだけでなく、デザインの統一感も保ちやすくなるでしょう。

展示会準備では複数の業者とやり取りすることが多く、それぞれの調整に時間がかかりますが、ワンストップで対応できる会社に相談することで、準備の効率化とコスト最適化の両方を実現できます。

展示会の費用対効果改善に欠かせないPDCAサイクル

展示会の費用対効果を継続的に向上させるには、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回すことが不可欠です。一度の出展で終わらせるのではなく、効果測定と改善を繰り返すことで、自社にとって最適な展示会マーケティングの手法が確立されていきます。

効果測定と分析の具体的な手順

展示会終了後、できるだけ早い段階で効果測定と分析を行うことが重要です。まず、設定したKPIの達成状況を確認しましょう。目標としていた名刺交換数、商談化率、成約件数などの実績値を集計し、目標値と比較します。この際、単に数値を見るだけでなく、なぜ達成できたのか、あるいは達成できなかったのかという要因分析が大切です。

次に、費用対効果(ROI)を計算します。展示会にかかった総費用と、展示会をきっかけに得られた利益を比較し、投資に見合ったリターンが得られたかを評価しましょう。ただし、BtoB展示会では受注までに時間がかかることが多いため、展示会直後だけでなく、3ヶ月後、6ヶ月後といった時点でも追跡調査を行うことをおすすめします。

さらに、出展スタッフからのフィードバックも重要な分析材料となります。展示会終了後すぐに振り返りミーティングを開催し、「どのような来場者が多かったか」「どの展示物に興味を持たれたか」「当日困ったことは何か」といった現場の生の声を集めましょう。これらの定性的な情報は、数値データだけでは見えてこない課題や改善点を発見するヒントになります。分析結果は報告書にまとめ、社内で共有することで、次回出展時の貴重な資料となるでしょう。

次回出展に向けた改善ポイント

効果測定と分析を通じて見えてきた課題をもとに、次回出展に向けた改善策を立案します。改善すべきポイントは大きく分けて、「集客」「ブース運営」「フォローアップ」の3つの領域に分類できます。

集客面での改善としては、事前集客の方法やターゲティングの精度向上が考えられます。例えば、前回の展示会で獲得したリードの質が低かった場合、ターゲット設定を見直し、より具体的なペルソナを設定する必要があるでしょう。また、事前集客の施策(DM、メール、広告など)の効果を検証し、費用対効果の高い方法に注力することも重要です。

ブース運営面では、ブースデザインの改善、展示物の見直し、スタッフ配置の最適化などが挙げられます。来場者からの反応が薄かった展示物は刷新し、逆に人気があった展示物はさらに強化するといった判断を行います。また、スタッフの接客スキル向上のための研修実施も効果的でしょう。

フォローアップ面では、アフターフォローのタイミングや方法の改善が考えられます。前回、フォローが遅れて商談機会を逃してしまった場合は、展示会終了直後のフォロー体制を強化する必要があります。CRMシステムの導入や、フォローアップ専任担当者の配置なども検討してみてください。このようにPDCAサイクルを回し続けることで、展示会出展の精度が年々向上し、費用対効果も着実に改善していくはずです。

展示会の費用対効果で失敗しないための注意点

展示会の費用対効果を測定する際、いくつかの注意点を押さえておかないと、正確な評価ができなかったり、本来得られるはずの成果を逃してしまったりする可能性があります。

ここでは、よくある失敗パターンとその対策について解説します。

①目的が曖昧でKPIが設定されていない

展示会出展における最も多い失敗が、明確な目的やKPIを設定しないまま出展してしまうケースです。「とりあえず出展してみよう」という姿勢では、準備も中途半端になりがちで、結果として費用対効果が低くなってしまいます。

目的が曖昧なまま出展すると、ブースデザインのコンセプトが定まらず、スタッフの動き方も場当たり的になります。また、展示会終了後に「成功だったのか失敗だったのか」を判断する基準がないため、次回の改善にもつなげられません。この問題を避けるには、出展を決めた段階で「新規顧客獲得」「既存顧客との関係強化」「新製品の認知度向上」といった具体的な目的を設定し、それに基づいたKPI(名刺交換数、商談化率、アンケート回収数など)を決めることが必要です。

KPIは達成可能かつ測定可能な数値目標として設定し、出展スタッフ全員で共有しましょう。そうすることで、全員が同じゴールに向かって行動でき、展示会の費用対効果も正確に測定できるようになります。

②事後フォローアップの体制不足

展示会で多くの名刺を獲得したにもかかわらず、その後のフォローアップが不十分で商談につながらないという失敗も非常に多く見られます。実際、展示会で得られる効果の大部分は、展示会後のフォローアップ次第で決まるといっても過言ではありません。

フォローアップが遅れる原因としては、担当者の人手不足、フォロー手順が決まっていない、獲得したリード情報の整理ができていないといった問題が挙げられます。展示会終了後は通常業務も並行して行う必要があるため、フォローが後回しになりがちですが、時間が経つほど来場者の記憶は薄れ、商談化の可能性は低くなってしまいます。

この問題を解決するには、展示会前の段階でフォローアップの体制を整えておくことが重要です。具体的には、フォローアップ担当者を事前にアサインしておく、お礼メールのテンプレートを準備しておく、CRMシステムに展示会情報を登録する手順を決めておくといった対策が有効でしょう。また、展示会当日に収集した来場者情報に優先順位をつけておくことで、重要度の高いリードから順にフォローできる体制を作ることも大切です。

③短期的なROIだけで判断してしまう

展示会の効果を短期的なROIだけで判断してしまうことも、よくある失敗パターンです。特にBtoB展示会では、来場者との接点から実際の受注まで数ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。そのため、展示会直後のROIがマイナスだったとしても、「失敗だった」と判断するのは早計といえます。

例えば、展示会で出会った見込み客と継続的にコミュニケーションを取り、半年後に大型案件を受注できたとします。この場合、展示会終了直後のROI計算では赤字でも、半年後の時点では大きなプラスになるでしょう。このように、展示会の効果は中長期的な視点で評価する必要があります。

対策としては、展示会で獲得したリードを長期的に追跡できる仕組みを作ることが重要です。CRMシステムなどを活用して、「このリードは◯◯展示会で獲得した」という情報を記録しておけば、数ヶ月後や1年後に成約した際にも、展示会がきっかけだったことが明確になります。また、展示会のROI評価は、終了直後だけでなく、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後といった複数の時点で行うことをおすすめします。

こうした長期的な視点を持つことで、展示会の真の価値を正しく評価できるようになるでしょう。

よくある質問|展示会の費用対効果について

展示会の費用対効果について、多くの出展者が抱える疑問や不安にお答えします。これらのQ&Aを参考に、自社の展示会マーケティングをより効果的に進めていただければと思います。

展示会の費用対効果(ROI)の目安はどれくらいですか?

展示会のROIは業界や商材によって大きく異なるため、一概に「◯%が良い」とは言えませんが、一般的な目安としては、ROI 50~100%以上を目指す企業が多い傾向にあります。つまり、投資した金額の1.5倍~2倍以上の利益を回収できれば、費用対効果が高いと評価できるでしょう。

ただし、初めて出展する展示会では、ROIがマイナスやゼロ近辺になることも珍しくありません。なぜなら、初回は試行錯誤の段階であり、効果的なブース設計や集客方法がまだ確立されていないためです。むしろ、初回出展は「学習投資」と捉え、得られた知見を次回に活かすことが重要といえます。

また、BtoB展示会では受注までのリードタイムが長いため、展示会直後のROIだけで判断せず、6ヶ月後、1年後といった中長期的な視点で評価することをおすすめします。継続的に出展することで、ROIは徐々に向上していくのが一般的です。

費用対効果を高めるために最も重要なことは何ですか?

費用対効果を高めるために最も重要なのは、展示会後のフォローアップを確実に行うことです。どれだけ魅力的なブースを作り、多くの来場者を集めたとしても、展示会後に適切なフォローができなければ、商談にも受注にもつながりません。

具体的には、展示会終了後3営業日以内、遅くとも1週間以内には何らかのコンタクトを取ることが理想です。お礼メールを送る、電話でアポイントを取る、提案資料を送付するといったアクションを迅速に行いましょう。このとき、展示会当日に収集した来場者の興味関心情報をもとに、パーソナライズされたメッセージを送ることで、反応率が大きく向上します。

また、すぐに商談に至らなかったリードについても、定期的に有益な情報を提供し続けることで、将来的な受注につながる可能性があります。展示会を単発のイベントで終わらせず、継続的な営業活動の起点として捉えることが、費用対効果を最大化する秘訣です。

展示会出展にかかる費用の相場はいくらくらいですか?

展示会出展にかかる費用は、小間数や展示会の規模によって大きく変動しますが、一般的な目安として、3m×3mの小間で合計150万円~300万円程度を見込んでおくとよいでしょう。この内訳は、出展料が50万円~80万円、ブース施工・装飾費が50万円~150万円、印刷物・ノベルティが20万円~40万円、人件費・交通費が20万円~40万円といった構成になります。

もちろん、これはあくまで目安であり、実際の費用は展示会の種類や求めるクオリティによって変わります。例えば、東京ビッグサイトや幕張メッセで開催される大規模な業界展示会では、より高額になる傾向があります。一方で、地方都市の展示会や、システムブース(主催者提供の標準ブース)を利用する場合は、費用を抑えることも可能です。

初めて出展される場合は、まず必要最低限の費用で1~2小間からスタートし、効果を検証しながら次回以降の予算を調整していく方法がおすすめです。また、複数の施工会社から見積もりを取り、比較検討することも費用最適化につながるでしょう。

ROIがマイナスになった場合はどうすればいいですか?

展示会のROIがマイナスになったとしても、すぐに「失敗だった」と結論づける必要はありません。まず重要なのは、なぜマイナスになったのかという原因を分析することです。来場者数が少なかった、質の高いリードが獲得できなかった、フォローアップが不十分だったなど、具体的な要因を特定しましょう。

次に、中長期的な視点でも評価してみてください。BtoB展示会では、展示会で出会った見込み客が数ヶ月後、あるいは1年後に受注につながることも多々あります。そのため、展示会直後のROIがマイナスでも、半年後や1年後に再計算すると大きくプラスに転じる可能性があります。獲得したリードを長期的に追跡し、継続的にフォローすることが大切です。

また、ROIが数値化しにくい効果にも目を向けましょう。例えば、ブランド認知度の向上、競合他社の動向把握、業界トレンドの情報収集といった側面も、展示会出展の重要な成果です。これらの定性的な価値も含めて総合的に評価し、次回出展に向けた改善点を明確にすることで、継続的にROIを向上させていくことができるでしょう。

BtoB展示会では受注までに時間がかかりますが、どう測定すればいいですか?

BtoB展示会では、検討期間が長く、展示会から受注まで数ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。このような場合、展示会の効果を適切に測定するには、短期・中期・長期の複数の視点で評価することが重要です。

短期的な指標としては、展示会直後の名刺交換数、商談化率、即決受注数などを測定します。これらは展示会の直接的な成果として把握しやすい指標です。中期的には、展示会から3~6ヶ月後の受注状況を追跡し、どれだけのリードが実際の商談に進んだかを確認しましょう。

長期的な評価としては、1年後までの受注を追跡します。この際、CRMシステムなどを活用して、「この顧客は◯◯展示会で獲得したリード」という情報を記録しておくことが不可欠です。そうすることで、時間が経過しても展示会がきっかけだったことを明確に把握でき、正確なROI計算が可能になります。

また、受注に至らなかったリードについても、商談段階まで進んだ件数や提案金額などを記録しておくことで、「展示会をきっかけに◯億円規模の商談機会を創出できた」という形で効果を可視化できます。このように、複数の時間軸と複数の指標を組み合わせることで、BtoB展示会の真の価値を適切に測定できるでしょう。

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イベントブースまるなげくん

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