最終更新日:2025/12/25

効果的な展示会を実現!レイアウト図作成や導線設計のコツ

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展示会の準備を進める中で、「ブースのレイアウトをどう設計すればいいのか分からない」とお悩みではありませんか。レイアウトは展示会の成果を大きく左右する重要な要素ですが、設計のポイントを押さえれば、限られたスペースでも効果的なブースを作ることができます。

この記事では、展示会レイアウトの基本から実践的な設計のコツまで、詳しく解説します。

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木林完介

木林完介

株式会社トック企画代表取締役

門前仲町生まれ。大学卒業後、3年をかけて世界一周をする。帰国後、家業の印刷・デザインの会社に就職し、2010年に代表取締役社長に就任。就任後は印刷だけでなく映像制作・WEB制作・イベント企画運営など事業を拡大する。

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目次

展示会レイアウトはなぜ重要?集客と成果を左右する理由

展示会のレイアウトは、ブースの成果を決める最も重要な要素の一つです。なぜなら、レイアウト次第で来場者の足を止められるかどうかが変わり、その後の商談機会に直接影響するからです。

実際に、同じ商品を展示していても、レイアウトの違いで集客数が大きく変わることも珍しくありません。つまり、レイアウト設計に時間をかけることは、展示会の投資効果を最大化するために欠かせない準備といえます。

来場者の第一印象と立ち寄りやすさを決める

ブースのレイアウトは、来場者が最初に受ける印象を大きく左右します。この理由は、通路を歩く来場者がブースを見る時間はわずか数秒であり、その瞬間に「入ってみたい」と感じてもらえなければ素通りされてしまうからです。例えば、開放的な入口と分かりやすいメッセージを配置したブースは、閉鎖的で中が見えにくいブースに比べて、来場者が立ち寄る確率が高くなります。

さらに、商品や展示物の配置によって、「何を扱っている会社なのか」が一目で伝わるかどうかも変わってきます。このように、第一印象を左右するレイアウトは、集客の入口として非常に重要な役割を果たしているのです。

ブース内での滞在時間と商談機会に直結する

レイアウトの良し悪しは、来場者がブース内でどれだけ滞在してくれるかにも影響します。なぜなら、導線がスムーズで展示物が見やすいブースでは、来場者は自然に奥まで進んで各展示を見て回ることができるからです。一方で、導線が悪く人がぶつかりやすいレイアウトでは、来場者は早々に出て行ってしまうでしょう。実際に、展示物の配置順序を工夫することで、来場者の平均滞在時間が大幅に伸びたという事例もあります。

また、商談スペースをどこに配置するかによって、スタッフが来場者とじっくり話せる機会が増えるかどうかも変わってきます。つまり、レイアウトは単なる見た目の問題ではなく、商談の質と量に直結する実務的な要素なのです。

企業イメージやブランディングにも影響

ブースのレイアウトは、企業の印象やブランドイメージを伝える重要な手段でもあります。この理由は、空間の使い方や展示物の配置から、その企業の「らしさ」や価値観が自然と伝わるためです。

例えば、先進的なテクノロジー企業であれば、シンプルで洗練されたレイアウトが企業イメージと合致しますし、温かみのあるサービスを提供する企業なら、親しみやすい雰囲気の配置が効果的でしょう。

さらに、レイアウトの統一感があることで、企業の一貫性や信頼性も感じてもらえます。このように、レイアウトは単に商品を見せる場ではなく、企業全体の魅力を伝えるブランディングの舞台となるのです。

展示会レイアウトでやってはいけない失敗例5選

展示会のレイアウト設計では、避けるべきポイントを知っておくことが成功への近道です。なぜなら、よくある失敗パターンを事前に把握しておけば、限られた時間と予算の中で効率的に準備を進められるからです。

ここでは、実際の展示会でよく見られる5つの失敗例と、その対策について解説します。これらを意識することで、来場者にとって魅力的なブースを作ることができるでしょう。

① 派手すぎる装飾でコンセプトが伝わらない

目立ちたいあまり、派手な装飾やカラフルな配色にしすぎると、かえって何を伝えたいのか分からなくなってしまいます。この理由は、視覚情報が多すぎると、来場者は重要なメッセージを読み取れず、混乱してしまうからです。例えば、複数の色を使いすぎたり、装飾物を詰め込みすぎたりすると、肝心の商品や企業のコンセプトが埋もれてしまいます。

また、派手なだけで中身のないブースという印象を与えてしまう可能性もあります。そのため、「シンプルに伝える」ことを意識し、メインメッセージを明確にすることが大切です。

② 情報や商品を詰め込みすぎて焦点がぼやける

限られたスペースに多くの商品や情報を詰め込みすぎると、結果的に何も伝わらないブースになってしまいます。なぜなら、来場者は短時間で多くのブースを回るため、情報が多すぎると理解する前に次のブースへ移動してしまうからです。

一般的な展示会では、来場者が1つのブースに立ち寄る時間は数分程度といわれています。例えば、目安として3m×3mのブースであれば、メインで訴求する商品は1〜2点に絞り、その他は補足として配置する程度が効果的です。このように、「伝えたいことを絞る」勇気を持つことで、かえって印象に残るブースになります。

③ 入りにくいブースで来場者が素通りする

ブースの入口が狭かったり、中の様子が見えにくかったりすると、来場者は入ることをためらってしまいます。この理由は、人は未知の空間に入ることに心理的な抵抗を感じるため、閉鎖的なブースは避けられやすいからです。例えば、バックパネル(背面の大きなパネル)で完全に囲われたブースや、展示物が入口付近にぎっしり並んでいるブースは、一見すると賑やかに見えても、実は入りづらい印象を与えている場合があります。

一方で、入口を広く取り、通路から中の様子が見えるようにすることで、来場者は安心して立ち寄ることができます。つまり、「入りやすさ」を最優先に考えたレイアウトが、集客の第一歩なのです。

④ 導線設計が悪くブース内で渋滞が起きる

ブース内の通路が狭すぎたり、展示物の配置が悪かったりすると、人の流れが滞って混雑してしまいます。なぜなら、複数の来場者が同時にブース内にいる場合、スムーズに移動できないと窮屈な印象を与え、早々に出て行ってしまうからです。展示会によって異なりますが、一般的にはブース内の通路幅は最低でも90cm以上、できれば120cm程度確保することが推奨されています。

また、人が一方通行で回遊できる導線を設計することで、自然と混雑を避けられます。さらに、商談スペースを導線から外れた場所に配置すれば、商談中の来場者と通行する来場者がぶつからず、快適な空間を維持できるでしょう。

⑤ 見栄えだけ重視して自社らしさが消える

デザイン性を追求しすぎて、自社の個性や強みが伝わらないブースになってしまうケースもあります。この理由は、「おしゃれなブース」を目指すあまり、企業のブランドイメージや商品の特徴を表現することがおろそかになってしまうからです。例えば、トレンドのデザインを取り入れても、それが自社の事業内容や価値観と合っていなければ、来場者に正しい印象を与えられません。

また、競合他社と似たようなデザインになってしまい、差別化ができないという問題も起こります。そのため、デザインは「手段」であって「目的」ではないことを意識し、自社らしさを表現するためのレイアウトを心がけることが重要です。

展示会レイアウト設計前に確認すべきポイント3選

効果的なレイアウトを設計するには、いきなり図面を描き始めるのではなく、事前の情報整理が欠かせません。なぜなら、目的やターゲット、ブースの条件を明確にしておかないと、後から大幅な修正が必要になり、時間と費用のロスにつながるからです。

ここでは、レイアウト設計を始める前に必ず確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。これらを押さえることで、スムーズに設計を進められるでしょう。

①出展目的とターゲット来場者を明確にする

レイアウトを考える前に、まず「何のために出展するのか」「誰に来てほしいのか」を明確にすることが大切です。この理由は、目的とターゲットが決まっていないと、どんなレイアウトが適切なのか判断できないからです。

例えば、新商品の認知拡大が目的なら、商品を目立たせる配置が必要ですし、既存顧客との関係強化が目的なら、じっくり話せる商談スペースを広く取る設計が効果的でしょう。また、ターゲットが経営層なのか、現場担当者なのかによっても、見せ方や雰囲気は変わってきます。このように、目的とターゲットを明確にすることで、レイアウトの方向性が自然と定まっていきます。

②ブースの小間数・開放面の数と位置を把握する

自社のブースが何小間なのか、どの面が通路に面しているのかを正確に把握することは、レイアウト設計の基本です。なぜなら、小間数や開放面の数によって、可能なレイアウトパターンが大きく変わるからです。一般的な展示会では、1小間は3m×3mの広さで、1面開放、2面開放、3面開放、4面開放(島小間)のいずれかになります。

例えば、1面開放のブースでは奥行きを活かした設計が重要になりますが、3面開放のブースなら複数方向からの集客を意識した配置が効果的です。また、通路の幅や隣接するブースの状況も確認しておくと、より具体的な設計ができるでしょう。

③会場の導線と人流の方向を事前に調査する

展示会場全体の人の流れを事前に把握しておくことで、より効果的なレイアウトが可能になります。この理由は、人流の向きによって、ブースのどの面に重点を置くべきかが変わってくるからです。例えば、入口から近いブースと奥のブースでは、来場者の動き方や疲労度が異なるため、それに応じたレイアウトを考える必要があります。

また、主催者の公式サイトや過去の会場マップを確認することで、休憩スペースやセミナー会場の位置も把握できます。さらに、可能であれば同じ会場で開催された過去の展示会を実際に見学して、人の流れを観察してみるのもおすすめです。このような事前調査により、立地条件を活かしたレイアウトを設計できるでしょう。

展示会レイアウトの基本

展示会のブースは、通路に面している面の数によってレイアウトの考え方が大きく変わります。なぜなら、開放面の数によって来場者の視線の方向や入りやすさが異なるため、それぞれに適した設計が必要だからです。

ここでは、1面開放から4面開放まで、それぞれの特徴と効果的な設計のポイントを解説します。自社のブース条件に合わせて参考にしてみてください。

1面開放ブースのメリット・デメリットと適した使い方

1面開放ブースは、1つの面だけが通路に面しているブースで、展示会では最も一般的なタイプです。このブースのメリットは、背面と両側面が壁になっているため、落ち着いた商談スペースを作りやすいことです。一方で、デメリットとしては、正面からしか見えないため、視認性が限られることが挙げられます。そのため、正面のデザインやメッセージに力を入れ、遠くからでも目立つ工夫が必要になります。

例えば、高さのあるバックパネルに大きくロゴやキャッチコピーを配置したり、照明で商品を際立たせたりすることで、通路を歩く来場者の目を引くことができるでしょう。また、奥行きを活かして手前に商品展示、奥に商談スペースといったゾーニングをすると効率的です。

2面開放ブースで荷物スペースと集客を両立する方法

2面開放ブースは、角地に位置することが多く、2つの面が通路に面しているタイプです。このブースのメリットは、2方向から来場者にアプローチできるため、1面開放よりも視認性が高いことです。ただし、デメリットとして、開放面が多い分、荷物や機材を置くスペースが限られることが挙げられます。展示会によって異なりますが、一般的には角の部分を有効活用することで、この課題を解決できます。

例えば、L字型のバックパネルを配置して、その内側に荷物スペースを確保しつつ、2つの開放面それぞれに異なる切り口で商品を展示する方法があります。また、角地は目立ちやすい反面、来場者が通り過ぎやすいため、両方の通路から入りやすいオープンな配置を心がけることが大切です。

3面開放ブースで柔軟なレイアウトを実現するポイント

3面開放ブースは、3つの面が通路に面しており、1面だけが隣のブースと接しているタイプです。このブースの大きなメリットは、多方向から来場者を呼び込めることと、レイアウトの自由度が高いことです。一方で、デメリットとしては、どの面からでも入れるため、導線設計を間違えると人の流れが分散してしまい、ブース内が混乱する可能性があります。

そのため、中央に目玉となる展示物を配置し、その周りを回遊できる導線を作ることが効果的です。例えば、中心に大型の商品や体験コーナーを設置し、3つの開放面それぞれに入口としての役割を持たせつつ、自然と中央に誘導する配置にすると良いでしょう。また、背面の1面を活用して商談スペースや収納を配置すれば、機能性も確保できます。

4面開放(島小間)ブースで全方向から集客する設計術

4面開放ブースは、島小間とも呼ばれ、四方すべてが通路に面している特別なタイプです。このブースの最大のメリットは、全方向から視認でき、会場内で最も目立ちやすいことです。また、大企業や主催者がこのタイプのブースを使うことが多く、ブランドイメージの向上にもつながります。ただし、デメリットとして、四方から見られるため中途半端な設計では印象に残らず、また荷物置き場の確保が難しいという課題があります。

そのため、中央に高さのある大型展示物やステージを配置し、どの角度から見ても魅力的に見えるデザインを心がけることが重要です。例えば、四隅に柱状の展示物を配置して視線を集め、中央で商品説明やデモンストレーションを行うといった演出が効果的でしょう。また、ブース内に収納スペースを内包した什器を活用することで、荷物問題も解決できます。

展示会レイアウトを小間数別に考える

ブースの小間数によって、レイアウトの考え方や工夫すべきポイントは大きく変わります。なぜなら、スペースの広さによって表現できることや配置できる展示物の数が異なるため、それぞれに適した戦略が必要だからです。

ここでは、小間数ごとの特徴と、限られたスペースで効果を出すためのレイアウトのコツを解説します。自社のブースサイズに合わせて、実践的なヒントを見つけてください。

1小間(3m×3m)で効果を出すレイアウトの工夫

1小間ブースは3m×3mの広さで、展示会では最も一般的なサイズです。このサイズのブースで成果を出すには、「絞り込み」と「シンプルさ」が鍵になります。なぜなら、限られたスペースに多くの要素を詰め込むと、かえって何も伝わらないブースになってしまうからです。例えば、訴求する商品は1〜2点に絞り、大きくシンプルなメッセージを掲げることで、通路を歩く来場者の目に留まりやすくなります。

また、商談テーブルを置く場合は、折りたたみ式や小型のものを選び、必要なときだけ展開するといった工夫も有効です。さらに、縦の空間を活かして、高さのあるタペストリーやバックパネルで存在感を出すことも効果的でしょう。このように、小さなブースだからこそ、メリハリのある設計を心がけることが大切です。

2~3小間でゾーニングと商談スペースを確保する方法

2〜3小間のブースになると、複数の展示エリアと商談スペースを両立できるようになります。この広さでは、「ゾーニング」、つまり用途ごとにエリアを分ける設計が重要になります。なぜなら、展示エリアと商談エリアを明確に分けることで、来場者にとって分かりやすく、スタッフも効率的に対応できるからです。例えば、目安として手前3分の2を展示・体験エリアとし、奥の3分の1を商談スペースにするといった配置が一般的です。

また、パーテーションや什器を使ってエリアを仕切ることで、商談中の来場者がブース内の混雑に影響されず、落ち着いて話ができる環境を作れます。さらに、2〜3小間あれば、商品カテゴリー別に展示コーナーを分けることも可能になるため、より多くの情報を整理して伝えられるでしょう。

4小間以上の大型ブースでインパクトを出すレイアウト

4小間以上の大型ブースでは、会場全体の中でも存在感のある設計が求められます。この広さでは、「ストーリー性」と「体験価値」を重視したレイアウトが効果的です。なぜなら、広いスペースを活かして、来場者が段階的に商品や企業の魅力を体感できる仕掛けを作れるからです。例えば、入口で来場者の興味を引き、中央で商品体験やデモンストレーションを行い、奥で個別商談につなげるといった流れを設計できます。

また、大型のブースでは、ステージやプレゼンテーションエリアを設けて、定期的に製品説明会を開催することも可能です。さらに、照明や映像を効果的に使った演出を加えることで、会場内でひときわ目立つブースを実現できるでしょう。このように、大型ブースならではのスケール感を活かした設計を心がけることが重要です。

展示会レイアウトで集客を増やすコツ5選

レイアウトを工夫することで、ブースへの集客を大きく改善できます。なぜなら、人間の視線の動きや心理を理解した配置をすることで、来場者が自然と立ち寄りたくなるブースを作れるからです。

ここでは、展示会で実際に効果が確認されている5つの集客アップのコツをご紹介します。これらを意識することで、限られた予算内でも集客力を高められるでしょう。

①遠くから見ても伝わるシンプルなメッセージを配置

通路を歩く来場者の視線を捉えるには、遠くからでも読めるシンプルなメッセージが不可欠です。この理由は、展示会場では多くのブースが並んでおり、来場者は歩きながら瞬時に情報を判断しているからです。そのため、小さな文字でたくさんの情報を書くよりも、大きな文字で端的なメッセージを伝える方が効果的です。

例えば、「業界最軽量」「導入実績No.1」といった分かりやすいキャッチコピーを、目安として高さ20cm以上の文字で掲げることで、遠くからでも認識してもらえます。また、文字だけでなく、シンボルマークやビジュアルを組み合わせることで、言葉が読めなくても何の会社かが伝わるようになります。このように、シンプルさを追求したメッセージ配置が、集客の第一歩となるのです。

②通路から中が見える開放的なレイアウトにする

ブース内が通路から見える開放的なレイアウトは、来場者の立ち寄りを促す重要な要素です。なぜなら、人は中の様子が分からない閉鎖的な空間に入ることをためらう心理があるため、見通しの良いブースの方が入りやすいからです。例えば、入口付近に高い展示物や什器を置かず、奥まで見渡せる配置にすることで、「このブースは入りやすそうだ」という印象を与えられます。

また、ブース内で商品のデモンストレーションを行っている様子が外から見えることで、興味を持った来場者が自然と足を止めてくれるでしょう。さらに、バックパネルで完全に囲うのではなく、適度に抜け感を作ることも効果的です。このように、心理的なハードルを下げる開放的な設計を心がけることが大切です。

③左回り(反時計回り)の導線でスムーズな流れを作る

ブース内の導線を左回り(反時計回り)に設計することで、来場者の回遊率を高められます。この理由は、日本を含む多くの国では、人は無意識に左回りで移動する傾向があるといわれているためです。例えば、入口を右側に配置し、左側に主要な展示物を並べることで、来場者は自然と左方向に進み、ブース全体を見て回る流れができます。

また、最も見てほしい商品を導線の途中に配置することで、必ず目に触れるようになります。ただし、展示会や業種によって人の動きは異なるため、「一般的には左回りが効果的」という認識で、自社のブースに合わせて調整することが大切です。このように、導線を意識した配置により、来場者がストレスなく回遊できるブースを作れるでしょう。

④AIDMAの法則を意識した配置で来場者を引き込む

AIDMAの法則とは、Attention(注意)→ Interest(興味)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)という消費者心理のプロセスを表したもので、レイアウト設計にも応用できます。なぜなら、この流れに沿って展示物を配置することで、来場者を自然と商談につなげられるからです。例えば、入口付近に目を引くキャッチコピーやビジュアルを配置してAttentionを獲得し、次に商品の特徴を説明するパネルでInterestを喚起します。

さらに奥に進むと、実際に触れる体験コーナーでDesireを高め、最後に商談スペースでActionにつなげるという流れです。このように、来場者の心理的な段階に合わせた配置をすることで、効率的に成果につながるレイアウトを実現できるでしょう。

⑤デザインの4原則(近接・整列・反復・対比)を活用

デザインの4原則を意識することで、見やすく印象に残るレイアウトを作れます。この原則は、近接(関連する要素をまとめる)、整列(要素を揃えて配置する)、反復(同じデザイン要素を繰り返す)、対比(重要な要素を目立たせる)の4つです。例えば、近接の原則では、同じ商品カテゴリーの展示物を近くに配置することで、来場者が情報を整理しやすくなります。

整列では、パネルや什器を一直線に並べることで、整った印象を与えられます。反復では、企業カラーやロゴを複数箇所に配置することで、ブランドの統一感が生まれます。そして対比では、メイン商品を大きく展示し、他の展示物を小さくすることで、自然と視線が集まります。このように、デザインの基本原則を活用することで、プロフェッショナルな印象のブースを作れるでしょう。

展示会レイアウトの導線設計

導線設計は、来場者がストレスなくブース内を移動できるかどうかを左右する重要な要素です。なぜなら、いくら魅力的な展示物があっても、導線が悪いとそこまでたどり着けなかったり、途中で出て行ってしまったりするからです。

ここでは、入りやすく、かつ回遊しやすいブースを作るための具体的なポイントを解説します。これらを実践することで、来場者の満足度と滞在時間を高められるでしょう。

入口を広く開放的にして心理的ハードルを下げる

ブースの入口は、来場者が最初に判断するポイントであり、できるだけ広く開放的にすることが重要です。この理由は、狭い入口や物が置かれている入口は、「入っても大丈夫かな」と来場者をためらわせてしまうからです。展示会によって異なりますが、一般的には入口の幅を最低でも1.5m以上、できれば2m程度確保することが推奨されています。

例えば、入口付近に展示物や什器を配置せず、一歩引いた位置から展示を始めることで、来場者は気軽に中に入れます。また、スタッフが入口で待機して声をかけるよりも、少し奥に立って迎える方が、プレッシャーを感じさせずに入りやすい雰囲気を作れます。このように、物理的にも心理的にも入りやすい入口設計を心がけることが、集客の第一歩となります。

ブース内の通路幅は十分に確保する

ブース内を快適に移動してもらうには、通路幅を十分に確保することが欠かせません。なぜなら、狭い通路では人同士がぶつかったり、立ち止まって展示物を見ることができなかったりして、来場者にストレスを与えてしまうからです。一般的な展示会では、ブース内の主要な通路幅は最低でも90cm以上、できれば120cm程度が目安とされています。

例えば、2人がすれ違える余裕を持たせることで、混雑時でもスムーズな移動が可能になります。また、車椅子やベビーカーの来場者にも配慮すると、より多くの方に利用してもらえるブースになるでしょう。さらに、商談スペースは主要な導線から少し外れた位置に配置することで、商談中の方と通行する方がぶつからず、双方が快適に過ごせます。

このように、通路幅に余裕を持たせることは、来場者の満足度を高める重要なポイントなのです。

展示物の配置順序で自然な流れを生み出す

展示物を配置する順序を工夫することで、来場者が自然とブース全体を見て回る流れを作れます。この理由は、情報を段階的に提供することで、来場者の理解が深まり、興味が持続するからです。例えば、入口付近には企業や商品の概要を示すパネルを配置し、中央部では具体的な商品展示や体験コーナーを設け、奥には詳細な技術説明や商談スペースを配置するといった構成が効果的です。

また、「導入事例」「価格」「仕様」といった情報も、来場者の関心度に合わせて順番に配置すると良いでしょう。さらに、展示物の高さにも変化をつけることで、視線の動きが単調にならず、飽きずに見て回ってもらえます。このように、ストーリー性のある配置順序を意識することで、来場者の回遊率を高められるのです。

展示会レイアウト図作成とシミュレーションの方法

レイアウトを頭の中で考えるだけでなく、実際に図面として可視化することで、より具体的で実現可能な設計ができます。なぜなら、図面を作成する過程で、スペースの使い方や導線の問題点に気づくことができるからです。

ここでは、レイアウト図を作成するための方法と、事前シミュレーションのコツを解説します。これらを活用することで、当日のトラブルを未然に防げるでしょう。

レイアウトシミュレーション無料ツールの活用法

レイアウト図を作成する際には、無料のシミュレーションツールを活用すると便利です。この理由は、専門的な知識がなくても、視覚的に分かりやすい図面を作成できるからです。例えば、PowerPointやGoogleスライドといった身近なプレゼンテーションソフトでも、図形機能を使って簡易的なレイアウト図を作成できます。また、オンラインの間取り作成ツールや3Dシミュレーターを使えば、より立体的にブースをイメージすることも可能です。

無料ツールの中には、家具や什器のテンプレートが用意されているものもあり、それらをドラッグ&ドロップで配置するだけで、実際のサイズ感を確認できます。このように、無料ツールを活用することで、コストをかけずに効果的なレイアウト検討ができるでしょう。

エクセルやアプリでレイアウト図を作成するコツ

ExcelやスプレッドシートといったOfficeソフトでも、工夫次第で実用的なレイアウト図を作成できます。なぜなら、セルの大きさを調整することで、実際のスケールに合わせた図面を描けるからです。例えば、1セルを30cmに設定すれば、3m×3mの1小間ブースは10×10セルで表現できます。その上に図形や画像を配置することで、什器や展示物の位置を視覚的に確認できるでしょう。

また、スマートフォンアプリでは、部屋のレイアウトを作成できるインテリアアプリなども展示会ブースの設計に応用できます。さらに、エクセルの場合は、複数のシート機能を使って、パターン違いのレイアウトを比較検討することも簡単です。このように、日常的に使うソフトでも、十分に実用的なレイアウト図を作成できます。

事前の会場下見と実寸テストで最終確認を行う

レイアウト図が完成したら、可能であれば事前に会場を下見し、実寸でのテストを行うことをおすすめします。この理由は、図面上では問題なく見えても、実際の空間では想定と違うことが多々あるからです。

例えば、展示会場の天井高や照明の位置、柱の有無などは、実際に見てみないと分からない場合があります。また、自社のオフィスや倉庫で、実際のブースサイズを床にテープでマーキングし、什器や展示物を配置してみることも有効です。そうすることで、通路幅が十分か、展示物が見やすい高さかといった点を体感的に確認できます。さらに、スタッフが実際に動いてみることで、オペレーション上の問題点も事前に発見できるでしょう。

このように、実寸での確認を行うことで、当日のトラブルを大幅に減らせます。

展示会レイアウトで意識したい細部の設計要素3選

レイアウトの大枠が決まったら、細部の設計要素にも目を向けることで、さらに魅力的なブースを作れます。なぜなら、什器の配置、照明、色彩といった細かな要素が、ブース全体の印象や商品の見え方を大きく左右するからです。

ここでは、見落とされがちだけれども重要な3つの設計要素について解説します。これらを意識することで、プロフェッショナルな完成度の高いブースを実現できるでしょう。

①什器・陳列棚の配置で高低差と視認性を工夫する

什器や陳列棚の配置では、高さに変化をつけることで視覚的な面白さと視認性を両立できます。この理由は、すべての展示物が同じ高さにあると単調な印象になり、かえって目立たなくなってしまうからです。例えば、目玉商品は目線の高さ(床から120〜150cm程度)に配置し、補足的な商品は低い位置や高い位置に配置することで、自然とメリハリが生まれます。

また、什器自体も、高さの異なるものを組み合わせることで、立体的で奥行きのある展示空間を作れます。さらに、通路側から見たときに、手前の展示物が奥の展示物を隠さないよう、高さの配置順序にも注意が必要です。このように、高低差を意識した什器配置により、来場者の視線を効果的に誘導できるでしょう。

②照明設計で商品を引き立てる演出を加える

照明の使い方一つで、商品の見え方やブース全体の雰囲気は大きく変わります。なぜなら、適切な照明は商品の魅力を最大限に引き出し、来場者の目を引く効果があるからです。展示会によって異なりますが、一般的には会場の天井照明だけでは暗く感じることが多いため、追加の照明を用意することが推奨されています。

例えば、スポットライトで特定の商品を照らすことで、その商品が主役であることを視覚的に伝えられます。また、間接照明を使ってブース全体を柔らかく照らすことで、高級感や落ち着いた雰囲気を演出できます。さらに、色温度(暖色系か寒色系か)によっても印象が変わるため、自社のブランドイメージに合わせた選択が重要です。

このように、照明設計にこだわることで、商品の魅力を最大限に引き出せるのです。

③色彩計画で企業カラーとターゲットに合った雰囲気を作る

ブース全体の色使いは、企業イメージの伝達とターゲットへの訴求の両面で重要な役割を果たします。この理由は、色には心理的な効果があり、見る人に特定の印象や感情を与えるからです。例えば、コーポレートカラーを基調とすることで、企業の一貫性や信頼性を表現できます。一方で、ターゲット層に合わせた色選びも大切で、若い世代向けなら明るくポップな色使い、経営層向けなら落ち着いたトーンの配色が効果的でしょう。

また、色を使いすぎるとかえって焦点がぼやけるため、メインカラー、サブカラー、アクセントカラーの3色程度に抑えることが一般的です。さらに、白や黒といったベースカラーを効果的に使うことで、全体の統一感を保ちながらも、重要な部分を目立たせることができます。このように、計画的な色彩設計により、ブランドイメージとターゲット訴求を両立できるでしょう。

よくある質問|展示会レイアウトの疑問を解消

展示会のレイアウト設計を進める中で、多くの出展者が共通して抱く疑問があります。

ここでは、実際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。これらを参考にすることで、レイアウト設計の不安を解消し、自信を持って準備を進められるでしょう。

展示会ブースのレイアウトで最も大切なポイントは?

展示会ブースのレイアウトで最も大切なポイントは、「来場者の視点に立った設計」です。なぜなら、どんなに凝ったデザインでも、来場者にとって分かりにくかったり入りにくかったりすれば、成果にはつながらないからです。具体的には、遠くからでもブースの内容が分かること、入口が開放的で入りやすいこと、ブース内の導線がスムーズなこと、そして伝えたいメッセージが明確であることが重要です。

また、出展目的とターゲットを明確にした上で、それに合わせた設計を行うことも欠かせません。このように、来場者の目線で考え、自社の目的を達成できるレイアウトを目指すことが、成功への近道といえるでしょう。

1小間の狭いブースでも集客できるレイアウトはある?

1小間のブースでも、工夫次第で十分に集客することは可能です。この理由は、狭いスペースだからこそ、メッセージを絞り込み、インパクトのある展示ができるからです。例えば、大きくシンプルなキャッチコピーを掲げたり、高さのあるバックパネルやタペストリーで縦の空間を活用したりすることで、遠くからでも目立つブースを作れます。

また、展示する商品を1〜2点に絞ることで、「何を扱っている会社か」が明確に伝わり、ターゲット層の足を止めやすくなります。さらに、デジタルサイネージやタブレットを使って、限られたスペースでも多くの情報を提供する方法もあります。このように、小さなブースならではの強みを活かした設計を心がけることで、大型ブースに負けない集客を実現できるでしょう。

レイアウト設計はいつから始めるべき?

レイアウト設計は、展示会の6ヶ月前から3ヶ月前の間に始めることをおすすめします。なぜなら、この時期は出展目的やコンセプトが固まり、具体的な設計を進めるのに適したタイミングだからです。展示会によって異なりますが、一般的なスケジュールとしては、6ヶ月前までに出展申込と予算取りを終え、6〜3ヶ月前にコンセプトメイクとレイアウト設計を行います。

その後、3ヶ月前から1ヶ月前にかけて、チラシやパネルなどの制作物を準備していく流れになります。早めに設計を始めることで、デザイン会社や施工会社との打ち合わせに十分な時間を取れ、納得のいくブースを作れるでしょう。また、修正の余裕も生まれるため、より完成度の高いレイアウトを実現できます。

レイアウト図は自分で作れる?業者へ依頼すべきか

レイアウト図は、簡易的なものであれば自分で作成することも可能ですが、本格的な設計は専門業者に依頼することをおすすめします。この理由は、自社でイメージを固めることは大切ですが、専門的な知識や経験がないと、実現可能性や効果的な設計の判断が難しいからです。

例えば、PowerPointやExcelで大まかな配置図を作成し、それをもとに業者と相談するという方法が効率的です。そうすることで、自社の意図を正確に伝えながら、プロの視点でのアドバイスも得られます。また、展示会に慣れた制作会社であれば、過去の事例をもとに、より効果的なレイアウトを提案してくれるでしょう。

さらに、施工の実現可能性やコストバランスも考慮した設計ができるため、結果的に時間とコストの節約にもつながります。

展示会で禁止されている装飾やレイアウトはある?

展示会では、安全性や他の出展者への配慮から、禁止されている装飾やレイアウトがあります。なぜなら、多くの来場者が集まる空間であるため、火災や事故のリスクを最小限にする必要があるからです。展示会によって異なりますが、一般的には火気の使用、可燃性の高い装飾材の使用、規定の高さを超える構造物の設置などが禁止されています。また、隣のブースとの境界線を越える装飾や、通路にはみ出す展示物も認められません。

さらに、大音量での音楽や映像の再生、強い臭いを発する展示なども、周囲への配慮から制限される場合があります。これらのルールは、展示会主催者から提供される「出展者マニュアル」に詳しく記載されているため、必ず事前に確認し、ルールを守った設計を心がけることが大切です。

展示会レイアウトならトック企画へご相談ください

東京ビッグサイトや幕張メッセなど全国の展示会をワンストップでサポート

展示会のレイアウト設計は、出展目的やターゲット、ブース条件を総合的に判断する必要があり、複数の業者に個別発注するとデザインの統一感や納期調整が大変です。

トック企画では、印刷・デザイン・動画・WEB制作をワンストップで対応し、レイアウト設計から当日の準備まで一貫してサポートいたします。東京ビッグサイトや幕張メッセなど全国の展示会場でのサポート経験を活かし、会場の特性に合わせた効果的なレイアウトをご提案できます。展示会に慣れたスタッフが、お客様の出展目的や予算に合わせて最適なプランをご提案し、窓口を一本化することで準備の負担を大幅に軽減いたします。

展示会のレイアウトでお悩みの際は、ぜひお気軽にトック企画へご相談ください。

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