展示会の企画、何から手をつければいいのか迷っていませんか?出展が決まったものの、やるべきことが多すぎて不安を感じる方も多いでしょう。
この記事では、初めての展示会出展でも安心して準備を進められるよう、企画の進め方を8つのステップで詳しく解説します。さらに、ブースへの集客力を高める面白いアイデアや、具体的なスケジュールの立て方もご紹介します。
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目次
展示会企画の成功を左右する8つのステップ

展示会の企画を成功させるには、体系的な準備が欠かせません。まず全体像を把握し、順を追って進めることで、準備の漏れを防ぎながら効率的に作業を進められます。効率的に進めていくために、展示会企画の基本となる8つのステップを順番に解説していきます。
それぞれのステップには適切な準備時期があり、一般的には12ヶ月前から計画を始めることで、余裕を持った準備ができます。各ステップを丁寧に進めることで、当日の成果につながる土台をしっかりと築けるでしょう。
【STEP1】出展目的を明確にする
最初に取り組むべきは、出展目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま進めると、後の準備段階で判断に迷い、効果的な企画を立てられません。展示会への出展目的は、主に「認知拡大」「新規顧客獲得」「既存顧客との関係強化」の3つに分類されます。例えば、新製品のローンチであれば認知拡大が主目的になりますし、商談を重視するBtoB企業であれば新規顧客獲得が中心になるでしょう。
目的を決める際は、社内で関係者と話し合い、優先順位をつけることが大切です。一つの展示会で複数の目的を達成しようとすることもありますが、その場合でも主目的を一つに絞ることで、メッセージやブースデザインの方向性が定まります。このように目的を明確にすることで、次のステップであるターゲット設定がスムーズに進められるのです。
【STEP2】ターゲット設定とペルソナ設定の明確化
出展目的が決まったら、次は誰に向けて発信するのかを具体的に設定します。ターゲットを明確にすることで、ブースのデザインや配布物、スタッフの対応方法まで、すべての施策に一貫性が生まれるからです。単に「製造業の担当者」というような大まかな設定ではなく、「従業員数50名以上の製造業で、生産効率改善を検討している工場長」といった具体的なペルソナを設定してみましょう。
ペルソナを設定する際は、年齢、役職、課題、情報収集の方法など、できるだけ詳細に描き出すことがポイントです。例えば、決裁権を持つ経営層をターゲットにするのか、現場の担当者をターゲットにするのかで、ブースでの説明内容や資料の作り方が大きく変わってきます。このように、ペルソナ設定を明確にすることで、後の企画立案がより効果的になり、来場者の心に響くメッセージを届けられるでしょう。
【STEP3】出展する展示会の選定
ターゲットが明確になったら、どの展示会に出展するかを選定します。出展する展示会は、自社のターゲット層が多く来場する場であることが最も重要です。なぜなら、どれだけ素晴らしいブースを作っても、ターゲットとなる来場者が少なければ、期待する成果を得られないからです。展示会にはそれぞれ特色があり、業界特化型、総合型、地域密着型など様々なタイプが存在します。
展示会を選ぶ際は、過去の来場者データや出展企業の顔ぶれを確認することをおすすめします。主催者の公式サイトでは、前回の来場者属性(業種、役職、来場目的など)が公開されていることが多いため、自社のターゲットと一致しているかをチェックしましょう。また、開催時期や会場の立地も考慮すべきポイントです。こうして慎重に展示会を選定することで、投資対効果の高い出展につながります。
【STEP4】KPI・目標数値の設定
展示会の成果を測るには、具体的なKPI(重要業績評価指標)と目標数値の設定が不可欠です。目標数値を設定することで、準備段階での施策の優先順位が決まり、当日のスタッフの動き方も明確になります。よく設定されるKPIとしては、名刺獲得数、有効リード数、商談件数、アンケート回収数などがあり、出展目的によって重視する指標が変わってきます。
3m×3mのブース規模の場合、展示会の規模や業種により大きく異なりますが、名刺獲得数50〜200件程度、そのうち有効リード(具体的な商談につながる可能性のある見込み客)は獲得数の20〜40%程度を目標とする事例があります。初めての出展では、同業他社の出展レポートや主催者が提供する過去データを参考に、自社に合った現実的な目標設定をおすすめします。数値目標を持つことで、展示会後の振り返りもしやすくなるでしょう。
【STEP5】コンセプト・テーマの決定
ここまでの準備を踏まえて、展示会のコンセプトとテーマを決定します。コンセプトは「誰に」「何を」「どう伝えるか」を一言で表現したもので、ブース全体の方向性を示す羅針盤となります。なぜなら、明確なコンセプトがあることで、デザイナーや制作会社とのコミュニケーションがスムーズになり、統一感のある世界観を作り出せるからです。
例えば、環境配慮型の新製品を出展する場合、「持続可能な未来を創る」というテーマのもと、ブースデザインに自然素材を取り入れたり、グリーンを基調とした配色にしたりすることで、メッセージが視覚的に伝わります。また、キャッチコピーや展示パネルの文言も、このコンセプトに沿って統一することが重要です。こうしてコンセプトを軸に企画を進めることで、来場者の記憶に残りやすいブースが完成します。
【STEP6】費用項目ごとの相場を把握
展示会出展には様々な費用がかかるため、早い段階で予算を算出しておくことが大切です。まず主な費用項目を洗い出し、それぞれの相場を把握することで、現実的な予算計画を立てられます。一般的な費用項目としては、出展料、ブース装飾費、印刷物制作費、ノベルティ費、人件費、交通費・宿泊費などがあり、これらを合計すると初めての出展で70万円〜300万円程度が目安となります。
予算を組む際は、予備費として全体の5〜10%程度を確保しておくことをおすすめします。なぜなら、準備を進める中で追加の制作物が必要になったり、当日の運営で想定外の費用が発生したりすることがあるからです。また、複数の業者に見積もりを取ることで、相場感をつかみながら適正な価格で発注できます。予算を明確にすることで、後の準備段階での判断基準が定まり、費用対効果の高い出展につながるでしょう。
【STEP7】スケジュール策定
効率的な展示会準備には、綿密なスケジュール策定が欠かせません。一般的な展示会では、12ヶ月前から準備を始めることで、余裕を持った進行が可能になります。準備期間は大きく4つの段階に分けられ、それぞれのフェーズで取り組むべきタスクが異なります。
12ヶ月前〜6ヶ月前は企画・予算取りの期間です。この段階では、出展目的の明確化、ターゲット設定、展示会の選定、予算の算出など、企画の土台を固めます。次に6ヶ月前〜3ヶ月前は、コンセプトメイク、ペルソナ設定、ブースデザインの策定など、具体的な方向性を決める時期です。そして3ヶ月前〜1ヶ月前には、動画やチラシ、パネル、タペストリー、ノベルティなどの制作物を発注し、完成させる必要があります。
最後に本番2日前〜当日は、機材テストや商品の設置、最終確認を行い、ブースの引き渡しを受けます。展示会によってスケジュールは異なりますが、この流れを基準に逆算して計画を立てることで、準備の漏れを防げるでしょう。
【STEP8】ブースデザイン・制作物・集客施策の具体化
最後のステップとして、ブースデザイン、制作物、集客施策を具体的に詰めていきます。ここまでのステップで決めたコンセプトやターゲットに基づいて、実際に形にしていく段階です。ブースデザインでは、遠くからでも目立つバックパネルやサイン、来場者が立ち寄りやすい導線、製品を効果的に展示する什器の配置などを検討します。
制作物については、名刺、チラシ、パンフレット、パネル、動画など、必要なアイテムをリストアップし、デザインの統一感を保ちながら制作を進めましょう。また、事前告知のDMやメール、SNS投稿なども、この段階で計画し実行に移します。展示会準備は複数の業者とやり取りすることが多く、調整に時間がかかるため、印刷・デザイン・動画制作をワンストップで対応できる会社に相談することで、窓口を一本化し、効率的に準備を進められます。
このように各要素を具体化することで、いよいよ展示会本番を迎える準備が整います。
展示会企画書の作り方
展示会への出展には、社内の承認プロセスが必要なことが多いでしょう。そのため、説得力のある企画書を作成し、上司や経営層から承認を得ることが重要です。
企画書は単なる報告書ではなく、出展の必要性や期待できる効果を明確に示し、投資判断の材料となる資料として作成する必要があります。
企画書に盛り込むべき10項目と書き方

効果的な企画書を作成するには、必要な情報を漏れなく盛り込むことが大切です。まず、出展目的を明確に記載し、なぜこの展示会に出展する必要があるのかを説明しましょう。次に、ターゲット設定を具体的に示すことで、誰に向けた施策なのかを明らかにします。
企画書に含めるべき10項目は以下の通りです。
項目 | 内容・ポイント |
1. 出展目的 | 認知拡大・新規顧客獲得・関係強化のいずれかを明記 |
2. ターゲット層とペルソナ設定 | 具体的な顧客像を詳細に記載 |
3. 出展する展示会の概要 | 名称、日程、会場、規模、前回の来場者データ |
4. KPIと目標数値 | 名刺獲得数、商談件数など測定可能な指標 |
5. コンセプトとテーマ | 「誰に」「何を」「どう伝えるか」を一言で表現 |
6. ブースデザインのイメージ | レイアウト図や参考画像を添付 |
7. 必要な制作物リスト | チラシ、パネル、動画、ノベルティなど |
8. 集客施策の内容 | 事前告知、SNS活用、体験型企画など |
9. 詳細なスケジュール | 12ヶ月前から当日までの準備工程 |
10. 予算の内訳 | 出展料、装飾費、制作費など項目ごとの金額 |
それぞれの項目では、根拠となるデータや事例を添えることで、説得力が増します。例えば、展示会の選定理由を説明する際は、前回の来場者データから「ターゲット層の来場が全体の40%を占めている」といった具体的な数値を示すことが効果的です。
企画書を通すための3つのポイント

企画書の承認を得るには、感覚的な説明ではなく、データに基づいた論理的な提案が求められます。以下の3つのポイントを押さえることで、承認を得やすい企画書になります。
1. 費用対効果を明確に示す
投資額に対してどれだけのリターンが見込めるのかを、具体的な数値で試算して説明しましょう。例えば、「名刺獲得80件、そのうち有効リード30件、商談化率30%で9件の商談、成約率20%で2件の成約を想定。平均受注額500万円として、売上見込み1,000万円」といった形で提示します。
2. 過去の実績や同業他社の事例を参考データとして提示する
初めての出展であれば、類似の展示会に出展した企業の成果レポートや、業界団体の調査データなどを引用することで、実現可能性を示せます。客観的なデータを添えることで、提案の信頼性が高まります。
3. リスクとその対策を併せて記載する
想定されるリスクと、それに対する具体的な対策を明記することで、計画の綿密さをアピールできます。リスク管理まで考慮していることを示すことで、経営層の不安を解消できるでしょう。
このように、データと論理的な説明を組み合わせることで、承認を得やすい企画書になります。
展示会企画で差がつく面白いアイデア

展示会場には多くのブースが並び、来場者の注目を集めることは簡単ではありません。そこで、他社と差別化できる面白い企画やアイデアを取り入れることで、ブースへの集客力を高められます。
ただし、奇をてらうだけではなく、自社のコンセプトやターゲットに合った企画を選ぶことが大切です。ここでは、実際に効果が高いとされる体験型企画やデジタル技術を活用したアイデアをご紹介します。
トレカおみくじ・デジタルスタンプラリーなどの体験型企画
来場者の参加を促す体験型企画は、ブースへの立ち寄り率を高める効果的な方法です。なぜなら、単に製品を見るだけではなく、実際に体験したり参加したりすることで、来場者の記憶に残りやすくなるからです。例えば、トレカ風のおみくじを用意し、引いた内容によってノベルティがもらえる仕掛けは、ゲーム感覚で楽しめるため人気があります。
デジタルスタンプラリーも、複数の展示ポイントを巡ってもらう施策として有効です。QRコードを各展示物に設置し、すべて集めた方に特別なノベルティをプレゼントするという流れで、ブース内の滞在時間を延ばせます。また、ルーレットやクイズなど、短時間で参加できる企画も、通りがかりの来場者を引き込みやすいでしょう。こうした体験型企画を取り入れる際は、スタッフの説明やフォローがスムーズに行えるよう、事前にオペレーションを整えておくことが重要です。
AR/VR体験やライブデモンストレーションで強い印象を残す
最新のデジタル技術を活用した企画は、来場者に強いインパクトを与えられます。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を使った体験コンテンツは、製品の特徴や使用シーンをリアルに体感してもらえるため、特にBtoB製品や大型設備など、現物を展示しにくい商材に適しています。例えば、建設機械メーカーであれば、VRで実際の操作感を体験できるコンテンツを用意することで、来場者の理解を深められるでしょう。
ライブデモンストレーションも、製品の性能や効果を直接見せられる有効な手段です。定期的にデモを実施することで、人だかりができ、それ自体が集客につながります。また、デモの合間には製品の特長を説明し、質疑応答の時間を設けることで、来場者との対話が生まれやすくなります。このように、視覚的・体験的に訴求できる企画は、パンフレットだけでは伝わりにくい価値を効果的に伝えられるのです。
フォトスポット・SNS連動キャンペーンで拡散力を高める
SNSでの拡散を狙った企画は、展示会場での認知だけでなく、オンラインでの露出も増やせる一石二鳥の施策です。まず、ブース内にフォトスポットを設置し、来場者が思わず写真を撮りたくなるような空間を作りましょう。企業のロゴやキャッチコピーを自然に入れ込むことで、SNSに投稿された際に自社の宣伝効果が得られます。
さらに、「指定のハッシュタグをつけて投稿した方に特別なノベルティをプレゼント」といったSNS連動キャンペーンを実施することで、拡散を促進できます。投稿のハードルを下げるため、写真撮影用の小道具やパネルを用意しておくと良いでしょう。ただし、展示会によっては撮影禁止エリアがあったり、SNS投稿に関するルールがあったりするため、主催者のガイドラインを事前に確認することをおすすめします。
このように、SNSを活用することで、展示会当日だけでなく、その後も継続的に情報を届けられます。
缶バッジ作りやノベルティ制作体験でブース滞在時間を延ばす
来場者がブースに長く滞在することは、スタッフとのコミュニケーション機会を増やし、商談につながる可能性を高めます。そこで効果的なのが、来場者自身が参加できる制作体験企画です。缶バッジ作りは、その場で完成する手軽さと、オリジナルのノベルティを持ち帰れる満足感から、幅広い年齢層に人気があります。
他にも、名入れサービスやカスタマイズ体験など、来場者が自分だけのアイテムを作れる企画は滞在時間の延長に効果的です。制作を待つ間に自然な会話が生まれ、製品やサービスの説明をする機会にもつながります。また、制作体験は写真映えする要素も含んでいるため、SNSでの拡散も期待できるでしょう。ただし、制作に時間がかかりすぎると待ち行列ができてしまうため、スムーズな運営ができるよう、事前にシミュレーションしておくことが大切です。
展示会企画のKPI設定
展示会の成果を正しく評価するには、出展目的に応じた適切なKPIを設定することが重要です。KPIは、単に数値目標を立てるだけでなく、準備段階での施策の方向性を決めたり、当日のスタッフの行動指針になったりする重要な指標です。
ここでは、主な3つの出展目的別に、設定すべきKPIと目標数値の考え方をご紹介します。
新規顧客獲得が目的の場合
新規顧客獲得を主目的とする場合、まず重視すべきKPIは名刺獲得数です。ただし、名刺を集めること自体が目的ではなく、その中からどれだけ有効なリード(商談につながる可能性の高い見込み客)を獲得できるかが重要になります。ブース規模や展示会の性質により大きく異なりますが、参考値として3m×3m程度のブースで名刺獲得数200〜300枚、そのうち有効リードが20〜40%程度を目指す事例があります。
有効リードを見極めるには、ブースでのアンケートやヒアリングシートを活用し、来場者の導入時期や予算感、決裁権の有無などを確認しましょう。また、名刺交換後の商談化率や、展示会後のアポイント獲得数もKPIに設定することで、より具体的な成果測定が可能になります。
商談化率は定義や業界により1〜40%程度と幅がありますが、例えば「名刺獲得200件、有効リード60件(30%)、商談化15件(25%)、成約3件(20%)」という形で段階的な目標を立てることで、各フェーズでの課題が明確になるでしょう。
認知度向上が目的の場合
認知度向上を目的とする場合は、より多くの来場者にブースを訪れてもらい、自社や製品のことを知ってもらうことが重要です。そのため、KPIとしてはブース訪問者数、資料配布数、アンケート回収数などが中心になります。訪問者数を計測するには、入口にカウンターを設置したり、配布したノベルティの数から推計したりする方法があります。
アンケートは、来場者の認知度や興味関心を測る有効なツールです。「当社のことを知っていましたか?」「どの製品に興味を持ちましたか?」といった質問を通じて、認知の広がりを定量的に把握できます。また、SNSでの投稿数やハッシュタグの使用回数も、認知拡大の指標として設定できるでしょう。アンケート回収数の目安としては名刺獲得数の10〜20%程度を設定する事例がありますが、ブース訪問者数の目標値は展示会の規模や来場者総数によって大きく変動します。
既存顧客との関係強化が目的の場合
既存顧客との関係強化を目的とする場合は、事前に招待した既存顧客の来場率や、その場での商談件数がKPIになります。この場合、不特定多数への集客よりも、特定の顧客と質の高いコミュニケーションを取ることが重視されます。そのため、事前のDMやメールでの招待活動が重要になり、来場予約数も管理すべき指標です。
KPIの例としては、「既存顧客への招待100社、来場予約30社、実際の来場20社、商談実施15件」といった形で設定します。
また、商談の質を測るために、具体的な案件化数や見積提出数も追跡すると良いでしょう。既存顧客向けの展示会では、新製品の紹介や活用事例の共有など、関係深化につながるコンテンツを用意することで、満足度の高い時間を提供できます。このように、目的に応じたKPI設定により、展示会の成果を適切に評価できるのです。
展示会企画で重要な予算とスケジュール
展示会の成功には、適切な予算配分と綿密なスケジュール管理が欠かせません。初めての出展では、どの項目にどれくらいの費用がかかるのか、いつから準備を始めればいいのか分からず不安を感じる方も多いでしょう。
ここでは、費用の内訳と相場、準備スケジュールの具体例、そして漏れを防ぐためのチェックリストをご紹介します。
展示会にかかる費用の内訳と相場
展示会出展には様々な費用が発生するため、全体像を把握して予算を組むことが大切です。主な費用項目は、出展料、ブース装飾費、印刷物制作費、ノベルティ費、人件費、交通費・宿泊費に分けられます。出展料は展示会や小間のサイズによって大きく異なり、3m×3mの標準ブースで20万円〜50万円程度が目安です。
ブース装飾費は、システムパネルを使った基本的な装飾で30万円〜80万円、オリジナルデザインの造作ブースになると100万円を超えることもあります。印刷物制作費は、名刺、チラシ、パンフレット、パネル、タペストリーなどを合わせて10万円〜30万円程度、ノベルティは単価や数量により5万円〜20万円程度が一般的です。
また、スタッフの人件費や遠方からの参加者の交通費・宿泊費も忘れずに計上しましょう。これらを合計すると、初めての出展で100万円〜300万円程度を見込んでおくと安心です。
12ヶ月前から当日までの準備スケジュール例
効率的な展示会準備には、計画的なスケジュール管理が必要です。展示会によって異なりますが、一般的には12ヶ月前から準備を開始することで、余裕を持った進行ができます。12ヶ月前〜6ヶ月前の期間は、出展目的の明確化、予算取り、展示会の選定と申し込みを行います。この時期に社内承認を得て、出展を正式に決定することが重要です。
6ヶ月前〜3ヶ月前には、コンセプトやテーマの決定、ターゲットの設定、ブースデザインの策定を進めます。デザイン会社や施工会社との打ち合わせを重ね、ブースの設計図を固めていく時期です。3ヶ月前〜1ヶ月前は制作の最盛期で、チラシやパネル、タペストリー、動画などの制作物を次々と発注し、完成させます。ノベルティの手配や事前告知のDM発送もこの時期に行いましょう。
そして本番2日前〜当日は、会場での設営、機材テスト、最終確認を経て、展示会本番を迎えます。
タスク管理チェックリスト
準備の漏れを防ぐには、詳細なチェックリストを作成し、進捗を管理することが効果的です。チェックリストは、「企画段階」「制作段階」「直前準備」「当日」「事後対応」の5つのフェーズに分けて作成すると管理しやすくなります。企画段階では、出展目的の決定、予算承認、展示会申し込み、KPI設定などの項目を含めましょう。
制作段階では、ブースデザイン確定、印刷物発注、ノベルティ手配、スタッフアサイン、事前告知実施などをリストアップします。直前準備では、配布物の梱包、機材の確認、当日の役割分担、緊急連絡先の共有なども忘れずにチェックしましょう。また、展示会後のフォローアップ計画も、事前に立てておくことが大切です。
複数のタスクが同時進行するため、タスク管理ツールやガントチャートを活用し、誰がいつまでに何をするのかを明確にすることで、スムーズな準備が可能になります。
展示会企画を成功に導くブースデザインと集客施策
展示会での成果は、ブースデザインと集客施策の質に大きく左右されます。どれだけ優れた製品やサービスを持っていても、来場者の目に留まらなければ意味がありません。
ここでは、集客力を高めるブースデザインのポイントと、効果的な集客施策についてご紹介します。
集客力を高めるブースデザインの5つのポイント

ブースデザインで最も重要なのは、遠くからでも目立ち、来場者の興味を引くことです。以下の5つのポイントを押さえることで、集客力の高いブースが実現できます。
- 大きくて分かりやすいサインやキャッチコピーの設置
- 色使いとビジュアルで視認性を高める
- オープンな導線設計で入りやすい雰囲気を作る
- 照明を活用して製品を際立たせる
- 動きのある演出で注目を集める
通路を歩く来場者は、一つ一つのブースをじっくり見る時間がないため、一目で「何の会社か」「何を展示しているか」が伝わるデザインが効果的です。周囲のブースと差別化できる配色や、大きな写真・イラストを使うことで、視線を集められます。
また、什器や展示台の配置を工夫し、通路から奥まで見通せるレイアウトにすることで、来場者がブース内に立ち寄りやすくなります。デジタルサイネージや実演など、動きのある要素を取り入れることで、通行人の視線を引きつけられるでしょう。このように、デザインの工夫一つで集客力は大きく変わります。
事前告知と当日集客の施策
展示会の集客は、当日だけでなく事前の告知活動も重要です。まず、既存顧客や過去の商談先に対して、DMやメールで出展の案内を送りましょう。「展示会に出展します。ぜひお立ち寄りください」という簡潔なメッセージとともに、ブース番号や場所の地図、当日の特典(ノベルティや限定資料など)を記載すると効果的です。
SNSでの事前告知も、幅広い層にリーチできる手段です。出展の告知投稿を複数回に分けて行い、「当日はこんな展示があります」「こんな体験ができます」といった具体的な内容を紹介することで、来場意欲を高められます。また、事前登録制の展示会であれば、招待券やクーポンコードを配布することで、来場を促進できるでしょう。当日の集客施策としては、入口付近での積極的な声かけや、通路に面した場所でのデモンストレーションが有効です。
こうした事前と当日の施策を組み合わせることで、より多くの来場者をブースに引き込めます。
来場者の導線設計と立ち寄りやすい雰囲気づくり
ブースの導線設計は、来場者が自然に立ち寄り、スムーズに移動できるよう工夫することが大切です。入口を広く開放し、スタッフが威圧的に立ちふさがらないよう配慮することで、気軽に入りやすい雰囲気を作れます。なぜなら、来場者は「売り込まれる」という警戒心を持っていることが多く、圧迫感のあるブースは避けられてしまうからです。
ブース内の導線は、入口から奥へ、そして出口へと自然に流れるレイアウトにすることをおすすめします。例えば、入口近くに目を引く展示物やデモスペースを配置し、興味を持った来場者が奥に進むと詳細な資料や商談スペースがある、という流れを作ります。また、休憩スペースやドリンクコーナーを設けることで、来場者がゆっくり過ごせる空間を提供できるでしょう。
スタッフは笑顔で挨拶し、押し付けがましくない距離感でコミュニケーションを取ることが、立ち寄りやすい雰囲気づくりにつながります。
展示会企画をサポートする企画会社の選び方
展示会の準備は多岐にわたり、すべてを自社で対応するのは大変な労力がかかります。そこで、展示会企画や制作を専門に扱う会社に相談することで、効率的かつ効果的な準備が可能になります。
ただし、会社選びを間違えると、思うような成果が得られないこともあるため、慎重に選定することが大切です。
実績と対応範囲の確認
企画会社を選ぶ際に最も重要なのは、展示会の実績と業界経験です。なぜなら、展示会にはそれぞれ独自のルールや慣習があり、経験豊富な会社であれば、スムーズな準備をサポートしてくれるからです。例えば、東京ビッグサイトや幕張メッセといった大規模会場での施工経験がある会社は、搬入出の手順や会場のルールに精通しており、トラブルを未然に防げます。
実績を確認する際は、自社の業界や製品に近い案件を手がけたことがあるかをチェックしましょう。過去の制作事例や顧客の声を見ることで、デザインの方向性や対応力を判断できます。また、対応範囲も重要なポイントです。ブース設計だけでなく、印刷物やノベルティ、動画制作まで幅広く対応できる会社であれば、一貫したコンセプトで準備を進められます。このように、実績と対応範囲を総合的に評価して会社を選ぶことが、成功への第一歩となります。
複数業者への発注が不安な場合
展示会の準備では、ブース施工業者、印刷会社、デザイン会社、動画制作会社など、複数の業者とやり取りする必要があることが多いです。しかし、それぞれの業者と個別に打ち合わせをし、進捗を管理するのは、時間も手間もかかります。特に初めての出展では、どの業者に何を依頼すればいいのか分からず、不安を感じる方も多いでしょう。
そうした悩みを解決するのが、ワンストップで対応できる会社です。
印刷・デザイン・動画・WEB制作を一箇所で依頼できれば、窓口が一本化され、コミュニケーションコストを大幅に削減できます。また、デザインの統一感や世界観を保ちやすく、ブース全体に一貫したメッセージを込められる点も大きなメリットです。
さらに、展示会に慣れた会社であれば、「この時期にはこれが必要」「こういう施策が効果的」といった提案も期待できるため、初めての出展でも安心して任せられます。複数業者への発注に不安がある場合は、ワンストップ対応の会社に相談してみることをおすすめします。
よくある質問|展示会企画で知っておきたいこと
展示会企画を進める中で、多くの方が疑問に思う点をまとめました。初めての出展では分からないことが多く、不安を感じるのは当然です。ここでは、よくある質問に答えながら、展示会企画のポイントを整理していきます。
企画展と展示会の違いは何ですか?
企画展と展示会は、似ているようで目的や性質が異なります。企画展は、美術館や博物館で行われる特定のテーマに基づいた作品や資料の展示を指すことが多く、文化的・教育的な要素が強いです。一方、展示会はビジネス目的で開催されるイベントで、企業が自社の製品やサービスを紹介し、商談や情報交換を行う場として活用されます。
展示会は、新規顧客の獲得や既存顧客との関係強化、業界内でのネットワーキングなど、明確なビジネスゴールを持って参加するものです。そのため、ブースのデザインや集客施策も、成果を最大化することを重視して計画されます。このように、企画展と展示会では目的や進め方が大きく異なるため、混同しないよう注意しましょう。
展示会でのNGワードや禁止事項はありますか?
展示会には、主催者が定めるルールや、景品表示法などの法規制によって、使用が禁止されている表現や行為があります。まず、過度な誇大広告や根拠のない効果表示は、景品表示法に違反する可能性があるため避けましょう。例えば、「業界No.1」「絶対に効果があります」といった断定的な表現は、客観的なデータがない限り使用できません。
また、展示会によっては、大音量の音楽や過度な客引き行為、通路にはみ出した展示などが禁止されていることがあります。主催者の出展マニュアルには、禁止事項が詳しく記載されているため、必ず確認してください。さらに、競合他社のブースで写真を撮ったり、資料を大量に持ち帰ったりする行為もマナー違反です。ルールを守り、他の出展者や来場者に配慮した行動を心がけることが大切です。
初めての出展でも企画書は必要ですか?
初めての出展であっても、企画書を作成することを強くおすすめします。なぜなら、企画書を作る過程で、出展の目的やターゲット、予算、スケジュールなどを整理でき、準備の方向性が明確になるからです。また、社内で承認を得る際にも、企画書があることで説得力が増し、スムーズに進められます。
企画書は、必ずしも完璧なものである必要はありません。まずは簡易的なフォーマットで、出展目的、ターゲット、予算、スケジュールの概要をまとめることから始めましょう。準備を進める中で詳細を追加していけば、最終的に充実した企画書が完成します。初めての出展だからこそ、企画書を作成して全体像を把握することが、成功への近道となるのです。
展示会企画を成功させるために最も重要なことは?
展示会企画を成功させるために最も重要なのは、明確な目的設定と、それに基づいた一貫した準備です。目的が曖昧なまま準備を進めると、ブースデザインや集客施策の方向性がブレてしまい、成果につながりません。そのため、「なぜ出展するのか」「誰に何を伝えたいのか」を最初にしっかりと定めることが大切です。
また、準備段階でのコミュニケーションも重要な要素です。社内の関係者やデザイン会社、施工業者との認識を合わせ、同じゴールに向かって協力することで、質の高いブースが完成します。さらに、展示会後のフォローアップまで見据えた計画を立てることで、展示会での出会いを商談や成約につなげられるでしょう。このように、目的を軸にした一貫した準備とコミュニケーションが、成功のカギとなります。
展示会企画の準備期間はどれくらい必要ですか?
展示会の規模や内容にもよりますが、一般的には12ヶ月前から準備を開始することが理想的です。特に初めての出展や、オリジナルデザインのブースを制作する場合は、十分な準備期間を確保することで、余裕を持った進行ができます。最低でも6ヶ月前には準備を始めたいところです。
準備期間が短い場合でも、優先順位をつけてタスクを進めれば対応は可能です。ただし、デザインや制作に十分な時間をかけられないと、クオリティが下がったり、追加費用がかかったりする可能性があります。そのため、出展が決まったら、できるだけ早く準備を開始することをおすすめします。展示会に慣れた制作会社に相談することで、短期間でも効率的に準備を進めるサポートを受けられるでしょう。
展示会の企画ならトック企画へご相談ください
東京ビッグサイトや幕張メッセなどの全国の展示会企画をワンストップでサポート
ここまで、展示会企画の進め方や成功のポイントをご紹介してきました。初めての出展では、やるべきことの多さに圧倒され、複数の業者とのやり取りに時間を取られてしまうことも少なくありません。そんな時は、展示会準備に精通した会社に相談することで、効率的に準備を進められます。
トック企画では、印刷・デザイン・動画制作・WEB制作をワンストップで提供し、展示会の企画から当日の運営サポートまで一貫して対応しています。東京ビッグサイトや幕張メッセをはじめとする全国の展示会で豊富な実績があり、ブースデザインの統一感を保ちながら、集客力の高い企画をご提案できます。窓口を一本化することで、お客様の負担を軽減し、スムーズな準備をサポートいたします。展示会の企画でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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